日独公法学の挑戦―グローバル化社会の公法

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  • サイズ A5判/ページ数 320p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784535519817
  • NDC分類 323.1
  • Cコード C3032

出版社内容情報

国境や公私の区分などの「境界線の溶融」が現代公法の世界に与えるインパクトを、日独の研究者が論じる。

序 グローバル化する社会と公法の課題…松本和彦
1 問題状況
2 本書の企画趣旨
3 論文解題
4 展望

第1部 グローバル化する社会と国家の主権

1 グローバル化の中の憲法…棟居快行
 0 報告レジュメの再録
 1 「グローバル化問題への補足的ないくつかの命題――グローバル化は新しい主権者か?」
 2 「グローバル化の中の憲法」という問題の再定立――国際人権の観点から
 3 グローバル化による人権論の新展開の可能性

2 国家と社会の間の機能変動――憲法学に対する挑戦…フィリップ・クーニッヒ/高田倫子訳
 1 序
 2 国家と社会の法学上の区分
 3 国家の撤退と社会の利益代表に対する開放
 4 チャンスとリスク
 5 民主制と法治国家に照らした国家の責任
 6 憲法学と憲法化
 7 展望

3 国際警察法の可能性と限界――ドイツの観点からの分析…ハンス・ゲオルグ・マーセン/杉原周治訳
 1 ボーダーレスな危険――国際的責務としての安全
 2 国際警察法の現状
 3 さらに為すべきこと

第2部 グローバル化する社会と議会の意義

4 グローバル化された法創設過程と議会――日本における議会の法的地位と機能態様…高田篤
 1 はじめに
 2 安全保障と国会
 3 グローバル化された法創設過程と議会の役割――特に日本において
 4 おわりに

5 ドイツにおける議会によるコントロール…ハイケ・クリーガー/宮村教平訳
 1 導入:グローバル化された世界における議会の役割の強化
 2 「議会の軍隊」という概念
 3 事前の議会による承認の根拠としての民主制原理
 4 議会から得ることを義務づけられた承認は、いつ法的に要請されるのか?
 5 外交問題に関する政府の活動能力に対する不適切な制限?
 6 外交に関する議会と民主制
 7 結論:議会によるコントロールの限定的効果

6 議会の中の権力分立――グローバル化に伴うその変容可能性について…村西良太
 1 問題の所在
 2 国会と委員会制度
 3 ドイツ連邦議会と委員会制度
 4 EFSF融資決定と予算委員会
 5 波紋を広げた「特別小委員会」の活用
 6 考慮要素としての議員の権利
 7 「本質性」の度合いに応じた権限配分の可能性

7 ドイツ連邦議会の情報権…スーヴェン・ヘルシャイト/柴田尭史訳
 1 情報権の概観
 2 連邦政府に対する連邦議会の情報の請求権
 3 個別の情報権
 4 情報権の評価

第3部 グローバル化する社会と個人の位置

8 行政訴訟における仮の権利保護…長谷川佳彦
 1 はじめに
 2 仮の権利保護制度の性格
 3 仮の権利保護制度の決定要素
 4 おわりに

9 日本における脳死論争と臓器移植法…高井裕之
 1 はじめに
 2 日本における脳死・臓器移植をめぐる動き
 3 死の定義をめぐる法治主義
 4 臓器移植法制定過程における党議拘束の解除
 5 むすびにかえて

10 取材源秘匿権と特定秘密――報道関係者の証言拒絶権・編集資料の差押え禁止…鈴木秀美
 1 問題の所在
 2 報道関係者の証言拒絶権
 3 編集資料の差押え禁止
 4 むすび

11 私人による都市計画提案…野呂 充
 1 はじめに
 2 ドイツにおける都市計画提案制度
 3 わが国における都市計画提案制度

第4部 グローバル化する社会と租税の役割

12 日本の所得税における最低生活費非課税の正当化と具体化…谷口勢津夫
 1 はじめに
 2 最低生活費非課税の租税憲法上の正当化
 3 現行の人的控除の縮減
 4 結びにかえて――最低生活費非課税のあり方について

13 ドイツ所得税法における最低生活費非課税――ドイツ売上税法の概観とともに…マルクス・ハインツェン/
奥谷健訳
 1 所得税の現状
 2 基本法の前提条件
 3 売上税法の概観

14 国内税法のヨーロッパ法的決定因子…シュテファン・ヒンデラング=ハネス・ケーラー/谷口勢津夫訳
 1 課税権
 2 間接税
 3 直接税
 4 まとめと展望

第5部 グローバル化する社会と環境の保護

15 環境法における情報取扱いと知識の創出――カルタヘナ法を手がかりに…松本和彦
 1 はじめに
 2 環境リスクへの事前対処
 3 知識創出の意義
 4 参照領域としての遺伝子技術法
 5 カルタヘナ法における知識の創出
 6 若干の考察
 7 おわりに

16 EU法における環境情報へのアクセス…ジークリート・ボイゼン/松本和彦訳
 1~8
 (*本論考の見出しは数字のみで構成)

17 環境分野の司法アクセスとオーフス条約――ドイツの環境訴訟への影響を中心として…大久保規子
 1 はじめに――ドイツと日本の特殊性
 2 オーフス条約と欧州における司法アクセスの拡大
 3 ドイツ法の展開
 4 おわりに――日本への示唆

【著者紹介】
大阪大学大学院高等司法研究科教授

目次

第1部 グローバル化する社会と国家の主権(グローバル化の中の憲法;国家と社会の間の機能変動―憲法学に対する挑戦;国際警察法の可能性途限界―ドイツの観点からの分析)
第2部 グローバル化する社会と議会の意義(グローバル化された法創設過程と議会―日本における議会の法的地位と機能態様;ドイツにおける議会によるコントロール;議会の中の権力分立―グローバル化に伴うその変容可能性について:ドイツ連邦議会の情報権)
第3部 グローバル化する社会と個人の位置(行政訴訟における仮の権利保護;日本における脳死論争と臓器移植法;取材源秘匿権と特定秘密―報道関係者の証言拒絶権・編集資料の差押え禁止;私人による都市計画提案)
第4部 グローバル化する社会と租税の役割(日本の所得税における最低生活費非課税の正当化と具体化;ドイツ所得税法における最低生活費非課税―ドイツ売上税法の概観とともに;国内税法のヨーロッパ法的決定因子)
第5部 グローバル化する社会と環境の保護(環境法における情報取扱いと知識の創出―カルタヘナ法を手がかりに;EU法における環境情報へのアクセス;環境分野の司法アクセスとオーフス条約―ドイツの環境訴訟への影響を中心として)

著者等紹介

松本和彦[マツモトカズヒコ]
大阪大学大学院高等司法研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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