内容説明
「他人の財産」を管理する者がそれを「自己の財産」と混淆した状態で破産した場合、その「他人の財産」は破産財団を構成するか。先端的な信託実務に多大な示唆を与える基礎研究。
目次
第1編 英米独における救済法理(英米法における救済;クイストクローズ信託;カリフォルニア州金融法におけるエクスロー;ドイツにおけるトロイハント;考察―日本法への示唆)
第2編 金銭ドグマと預金債権の帰属にかかる基本問題(金銭ドグマ;預金債権の帰属)
第3編 混蔵保管と特定性(混蔵寄託;混和と識別不能;特定性の基本問題)
第4編 最二小判平15・2・21における倒産隔離理論(本件預金債権の実質的帰属者;客観説からのアプローチ;本件預金債権と代理店の責任財産;信託構成の可否)
第5編 分別管理と倒産隔離(信託法における分別管理義務;金銭の分別管理と倒産隔離)
著者等紹介
岸本雄次郎[キシモトユウジロウ]
1985年早稲田大学法学部卒業。住友信託銀行入行、ルクセンブルク住友信託銀行(副社長)等を経て、現在、カリヨン銀行チーフ・コンプライアンス・オフィサー。法学博士(筑波大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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