出版社内容情報
租税法の基礎理論と歴史的淵源に遡ることで、現代社会が直面する租税法の諸問題の解決に資する視座を探求する。
金子 宏[カネコ ヒロシ]
東京大学名誉教授
中里 実[ナカザト ミノル]
東京大学教授
米田 隆[ヨネダ タカシ]
西村あさひ法律事務所代表パートナー弁護士
岡村忠生[オカムラ タダオ]
京都大学教授
内容説明
理論・実務の最前線で活躍する研究者・実務家の執筆。租税法の基礎理論と歴史的淵源に遡ることで、現代社会が直面する租税法の諸問題の解決に資する視座を探求。
目次
第1部 租税の基本構造(国家、市場、課税;中央政府・地方政府・租税)
第2部 国家の金融的活動とその統制(租税法と財政法;社会保障における租税以外の費用負担形式に関する決定のあり方について―あるいは、租税と社会保障/社会保険の一断面;租税法と政策税制;租税法の手続的基層―手続・執行面の法的統制)
第3部 租税法の経済的分析(租税法の実証分析―社会的資本と節税行為;租税法におけるLaw&Finance;租税法と公共経済学;租税法と行動経済学―法政策形成への応用とその課題)
第4部 租税法と哲学(課税理論と財産権論;租税と刑罰の境界史―法の諸モデルとその契機;財政・世代間衡平・政治プロセス)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ra
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税制担当者として租税とは何かを考え直すための3冊目(①私たちはなぜ税金を納めるのか,②租税史回廊)。全体的にあまり読み込めてはいないが,藤谷先生の第3章,太田先生の第4章,宍戸先生の第13章が面白かった。これまでの3冊を振り返って,自分の関心はやはり,「財政システムの一環としての租税」であったので,次にこのテーマで手に取るならば,脚注で多く言及のあった法律時報88巻2号,同9号及び公法研究74号か。2021/12/30
ただの人間
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租税法と財政、金融、経済、哲学、憲法学など、隣接領域とを関連させて論じる論稿が収録されている。特に公共経済学の観点から、租税法の「担税力」と公共経済学の租税理論とはかなり差があるという指摘(9章)は、様々な考察の基礎になりうるインパクトがあると感じ、興味深かった2020/09/27