内容説明
現在、各国を席捲するナショナリズム、人種差別、移民・難民問題など、民族という「見えざる壁」が世界を引き裂いている。われわれ現代人にとって、「民族」とは何なのか。その軌跡をたどり、世界のいまを解き明かす!人種・血統を通じて人類のダイナミズムを描く新しい世界史!
目次
第1部 「民族」はこうして始まった
第2部 東アジアと日本
第3部 世界を支配したヨーロッパの国々
第4部 インド・中東・中央アジア
第5部 複雑に入り組む東南アジアの諸民族
第6部 アメリカ、アフリカ、民族に刻まれた侵略と対立の傷跡
第7部 大帝国の成立―民族の融和
第8部 民族の血統が教える世界
著者等紹介
宇山卓栄[ウヤマタクエイ]
1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。大手予備校にて世界史の講師として人気を博す。著作家として活動。テレビ、ラジオ、雑誌など各メディアで時事問題を歴史の視点から解説するわかりやすさには定評がある。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
168
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。民族を意識して世界史を眺めると色んな事が解り、現在の世界の紛争の理解も深まります。ナショナリズムの嵐が吹き荒れ、世界が右化する今だからこそ、コスモポリタン世界市民、共通言語はエスペラント語を推進する偉大な指導者は現れないのでしょうか?どの民族も混血が進んでいて、純血な人種・民族は地球上に存在していません。中国に国中の美女を献上した結果、自国には醜女しかいなくなつた朝鮮では、美容整形が花盛りです(笑)スラブ民族(ロシア等)の美女(性)奴隷の競りに参加したかつた(妄)2019/02/21
みき
62
世界史というタテの流れに民族というヨコ軸を入れてみようという野心的な本。どの国の事象もある程度客観的に書かれており好感が持てる。持てるのであるが民族よりもやはり宗教的な考え方で緩やかに結びついているとする考え方に共感を覚える自分としては、「宗教で読み解く世界史」の方が面白く読めたというのが正直なところ。民族や言語というヨコ軸だと混血による融合前と後を比較することが、なかなかに難しいと考えてしまう。ナショナリズムとかそういったことに興味がある人は入門書に最適な1冊。良書であることは間違いない本2024/02/08
キムチ
51
自分が学んだ世界史は暗記科目としか記憶はなく、その後現在ではほとんど姿を変えた事実で埋められている。人生を歩き、世界の動静を見聞きし、できれば他国人と交流する・・それこそ世界史を「泳ぐ」と。あたかも読むyoutube・・サクッと読める上 実に愉しい。視野狭窄、感情論に陥りやすい事への学びにもなる。似非インテリや尖った系の人からすると突っ込みが多々あることはさておき。。20C以降優位位置に存するアングロサクソン系の流れ「白人優位主義、短頭長頭の異、英露へ分かれたノルマン人、中国と囲む匈奴、その後の枝分かれ2024/03/24
もりやまたけよし
51
民族史のダイジェスト版的なほんでした。予備校の先生の経歴からわかりやすく書いてあります。民族変遷の背景にも挑んであり、なるほどと思う所多々です。2018/04/20
南北
45
難民問題や民族対立・人種差別などの問題は「民族」と密接な関係にあります。その民族を切り口として世界史を読み解いている本です。最後の章でフランクリン・ルーズベルトが人種差別的な思想を持ち、日本人を有害視していたと書かれていますが、こうしたことからも先の大戦を回避することはほぼ不可能だったことがわかります。また、植民地経営が経済的には割の合わないものだったにもかかわらず、欧米諸国が続けたのかという理由も興味深く感じました。2019/03/30