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出版社内容情報
外来思想や哲学を取り入れながら、独自の発展を遂げた日本思想。これ一冊で、その軌跡がわかる!
稲田義行[セダヨシユキ]
内容説明
古来、日本人は何を考えてきたのか?「日本」誕生以来の、思想の軌跡。壮大な歴史をたどりながら、日本人の行動原理を読み解く!
目次
序章 旧石器時代から縄文・弥生・ヤマト王権まで(「思想」と「哲学」は何がどう違うのか;日本列島はどのように形成されたのか ほか)
第1章 古代の歴史と思想(神話の世界;奈良時代の思想 ほか)
第2章 中世の歴史と思想(鎌倉時代の思想;禅宗の思想 ほか)
第3章 近世の歴史と思想(戦国時代の歴史;江戸時代の歴史 ほか)
第4章 近現代の歴史と思想(幕末・明治時代の歴史;大正時代の歴史 ほか)
著者等紹介
稲田義行[セダヨシユキ]
1968年、茨城県生まれ。立正大学大学院文学研究科修士課程修了。専攻は哲学。M.ハイデガーとその周辺を中心に研究。現在、茨城県立高等学校教諭。主に公民を教える。東洋思想や西洋思想に造詣が深く、その解説のわかりやすさには定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
33
日本史は何となく理解している人が少なくない。しかし、「倫理」を理解している人は少ない。「源流思想」「日本思想」「西洋思想」に分かれるが、「日本思想」を学んでいない人は外国人からの問いかけに対して、容易には答えることができない(3頁)。「思想」とは上っ面で考えるものではなく、広い視点に立ってものの姿をよく見て感じたり、深く考え、感じ入った事柄(17頁)。陰陽五行説とは、諸子百家の一派、五行(木火土金水)説を、陰陽家の鄒衍(すうえん)が取り入れ、自派の陰陽説に他派の五行説を接ぎ木して成立させた思想(39頁)。2018/04/20
ken
7
なんだか妙に時間がかかった。筆者が社会科の先生ということもあり、日本史→日本思想史と展開する「丁寧な倫理の教科書」といった趣。全体的に分かりやすく、入門書としておすすめ。特に、朱子学だの陽明学だの国学だの庶民思想だのーーとにかくややこしい江戸時代と、それから欧化主義だの啓蒙主義だの国家主義だの国粋主義だの社会主義だのーーとにかくややこしい明治時代(時代が混乱すれば思想も混乱する)、この辺がそれなりに体系化できるのは嬉しい。改めて思うのは、外から持ち込まれたものを咀嚼してるのが日本思想の特徴だってこと。2020/04/12
take
4
再読。初読時から日本仏教史関連の本を4~5冊挟んで再読したところ、大分頭に入りやすくなってきた。「ほぼ初学者だけれど学校の教科書より少しだけ踏み込みたい人」にちょうど良い本だと思う。また少し間を置いて、何度も繰り返し読みたい。2017/06/25
take
4
『日本宗教史』(末木)と扱うテーマは重なるが、こちらの方が初学者には適していると思う。題名の通り日本思想を「一気に」たどることができ、それでいて、無味乾燥な事実の羅列になってはいないので、分厚い本だが最後まで飽きずに読むことができた。次は『日本思想全史』(清水)にチャレンジ。2017/05/09
新父帰る
3
日本史の時代区分に従って、その時代の主な思想を分かりやすく解説。とは言っても、奈良・平安・鎌倉まではほぼ各宗派の思想を辿る記述。勿論、神話の時代は「記紀」をベースに平安時代は陰陽五行説にも触れているが。また、中世の歴史観・歴史認識では「愚管抄」「神皇正統記」を取り上げ、文学・芸術では「平家物語」「徒然草」を俎上に。近世では朱子学・古学・国学の思想を解説。特に幕末では尊皇攘夷思想を取り上げている。近現代では西洋思想の流入とその受容の変遷が語られ、百家繚乱を呈する。全体的に平易に解説されているので読み易い。2019/04/01