内容説明
一括請負、人月、デスマーチ…すべての問題を解決する「納品のない受託開発」。ソフトウェアを“生き物”として「成長させ続ける」逆転の発想!
目次
1章 常識をくつがえす「納品のない受託開発」とは
2章 時代が「納品のない受託開発」を求めている
3章 顧客から見た「納品のない受託開発」の進め方
4章 事例に見る「納品のない受託開発」
5章 「納品のない受託開発」を支える技術とマネジメント
6章 エンジニアがナレッジワーカーになる日
7章 「納品のない受託開発」をオープン化する
著者等紹介
倉貫義人[クラヌキヨシヒト]
1974年京都生まれ。1999年立命館大学大学院を卒業、TIS(旧東洋情報システム)に入社。エンジニアとしてキャリアを積みつつ、「アジャイル開発」を日本に広める活動を続ける。2005年に社内SNS「SKIP」の開発と社内展開、その後オープンソース化を行う。2011年自ら立ち上げた社内ベンチャーをMBOにより買収、株式会社ソニックガーデンを創業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T2y@
12
久しぶりにマーカー箇所が多い本に出会った。 アジャイル開発を、パートナーと実践的に行う為のガイドブック。 開発一括請負・納品形態から、月額固定モデルへ。 まあ、実際難しい処は現実問題多いのだけれども。 2015/07/02
izw
11
サービス提供のためにシステムを使うお客様とシステム開発者が、対等のパートナーとしてシステムを検討し、作り、改良し続ける形態を「納品のない受託開発」と呼んでいる。要件をきっちり定義し完成品を納品する形態で生じる不具合・不満を解決できる場合が多い。ただ、ドキュメントをあえて残さないこと、対応するエンジニアが固定されるため、規模的に制限されることは仕方ない。他のSIerと競合したことはないと言い切るが、確かに別業務と考えるべきだろう。「納品のない受託開発」を適用できる範囲はかなり広く、今後の伸びが期待される。2014/09/08
かなすぎ@ベンチャー企業取締役CTO
7
エンジニアは時給換算ではなく、成果を評価するべきという考え方に共感。「作らない提案」は非常に大事で、なぜその機能が必要なのかということを深掘りすると、作らない方がいいことがある。しかし、時給換算で仕事をしていると、作った方が儲けることができるという矛盾が生じる。 あとは、筆者が唱えるプログラマーの定義である。プログラマーは、ただ要望どおりに機能を実装するコーダーではなく、企画、UIUX、サーバー、インフラ、運用までを一通りすべてできること。自分もこういったエンジニアを目指していたので強く共感した。2019/01/27
山崎ジョー吉@waii
6
現在勤務している会社の事業スタイルに近いので多くの点で共感できた。従来の「納品のある受託開発」は納品時が性能や品質のピークなのに対し、「納品の無い受託開発」は多様性やニーズの変化に応じて性能や品質が向上していく点が大きな違い。SIerという業種は米国では存在しないという事を聞いたことがあるが、ソフトウェアはアウトソーシングするのではなく、外部のサービスを利用する、もしくは「納品の無い受託開発」に変わっていくのは時代の流れだと思う。その時、求められるエンジニアのことをフルスタックエンジニアというのだろう。2014/08/12
akanishi
5
著者も書いているように、性善説だと、この著作の内容にうなづき、ぜひがんばってほしいなと思う。ただ、実際の世の中で見聞きするのは悪徳ベンダーであったり、それをコントロールできない調達者であったりするところでもある。2015/10/10