内容説明
ボロボロで解体寸前だった車両たちそれを救おうと全国を走りまわった日々…彼の後ろには「誇り」を取り戻した車両たちがあった。鉄道を愛し、鉄道とともに生きた岸由一郎氏を偲び、彼の活動や著作、保存復元してきた車両の写真や資料を掲載、その思い出の地を訪ねる。すべての鉄道愛好家に捧げる回顧録。
目次
第1章 ボロ建屋の中で「誇り」と出会う
第2章 ユニークさと頑固さこそが身上
第3章 念願かなってプロの道
第4章 救ったボロ電、守った「誇り」
第5章 「誇り」を守り続けた軌跡
第6章 岸君の想いを受け継いで
著者等紹介
笹田昌宏[ササダマサヒロ]
昭和46年(1971)大阪に生まれる。福井医科大学(現・福井大学医学部)卒業、皮膚科専門医、作家。平成18年(2006)『中国、師匠と出会ったあの列車旅』により第10回旅のノンフィクション大賞(読売新聞社)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yyrn
2
ビジネス雑誌「東洋経済」に定期的に鉄道が取り上げられるくらい男は鉄道が好きなのだ(と思う)。私も好きだ。本はその鉄道の歴史的価値に愛情を注いだ若者の話だった。その誰にでも好かれる人柄と、鉄道に関する愛情と知識と行動力(地方の廃線や古い車両の保存活動、その歴史的価値の再評価や情報発信に傾けた情熱)で周囲の人々を魅了し続けた岸由一郎さん。その功績と思い出を年上の仲間が綴った本で、08年6月14日の岩手・宮城内陸地震で35才の若さで亡くなったことが本当に惜しまれる。ウィキペデアに詳しい経歴が紹介されています。2015/11/16
しんいち
0
岩手・宮城内陸地震で犠牲となった「岸由一郎」について書いた本。 交通博物館の学芸員として、資料の収集・研究にあたる傍ら、プライベートでも全国の廃線となった鉄道を巡り、自治体や博物館と交渉して、鉄道車両の保存に努めた。 そんな彼の親友である笹田昌宏さんが書く岸さんの姿に敬服しない人はいない。 岸さんがどれだけの人に愛され、どれだけ情熱をもって仕事をしていたか伝わる。 自分の仕事への姿勢などを振り返り、背筋がピンと正されると同時に、地震の惨さを感じることが出来る1冊である。 2019/06/12
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