内容説明
街のはずれに、歩道橋のたもとに小舟を舫うように、ひっそりとたたずみ灯を点す屋台―。虚実めぐりの水先案内人、村松友視による不思議な味わいの都市論。空耳のように、聴えてくるのは演歌か、バラードか、ブルースか、ファドか。
目次
“屋台という世界”の残り香―博多
ポップとドロ臭さの同居する港町―函館
霧と夜風と赤提灯横丁と―釧路
日曜市と屋台に庶民の花が咲く―高知
影を光らせる屋台世界―神戸
鴨とイカを求めて出雲の国へ―松江・美保関
屋台は庶民の吐け口なり―広島
乱気流屋台に映る影法師―仙台
風さそう浪花の屋台の物語―大阪
城下町金沢に咲く屋台気分―金沢
天然の美に隠れた屋台世界―佐世保
岐阜に屋台の女三銃士あり―岐阜
ハマの屋台はリバーサイドの砦―横浜
静岡の屋台は江戸下町の駿府版―静岡
雪の小倉、屋台で気取るオハギかな―小倉
巷の必殺励まし人よ何処へ―東京