出版社内容情報
◆「日本の通貨マフィア」財務官を史上最長期間務めた著者が、重大局面とどのように向き合い、動いたかを語る回想録。
◆トランプ政権の登場、理由が不明のまま対応に追われた人民元急落、中国が主導するアジアインフラ銀行への参加問題、デジタル課税など国際課税ルールづくりに奔走といった内部者ならではの視点を盛り込みながら、通貨・国際経済・租税の世界のダイナミズムを明らかにする。
とくにトランプ政権とどのように関係構築を図ったかや、人民元の国際通貨化や一帯一路経済構想を進める中国との協調と攻防、OECD租税委員長にアジア人として初めて就き取り組んだ「二重非課税」問題などが初めて明かされる。
◆清水功哉日本経済新聞編集委員が聞き手として、読者が理解しやすいよう背景をわかりやすく説明したり、あるときは本当はどのようなやりとりがあったのか著者に鋭い質問を投げかけるなど、興味深く読み進められる対談方式。
◆最終章では著者がアジア開発銀行総裁として、コロナ問題にどう立ち向かおうとしているのかについても語られる。
内容説明
過去最長の財務官の回想録。トランプ政権、人民元、デジタル課税―重大局面にどう向き合い、動いたか。
目次
第1章 円高との戦い
第2章 身構えたトランプ政権登場
第3章 人民元急落への警戒
第4章 アジアインフラ投資銀行参加問題
第5章 アジア通貨危機再発を防げ
第6章 アジア人初、OECDの租税委議長に
第7章 国際課税ルールの歴史的転換を主導
第8章 初のG20議長を支え、アジア開銀総裁へ
著者等紹介
浅川雅嗣[アサカワマサツグ]
アジア開発銀行総裁。1958年静岡県生まれ。1981年東京大学経済学部卒、大蔵省(現財務省)入省。入省後の1985年に米プリンストン大学行政学大学院を卒業、大蔵省では主に国際金融や租税の分野を歩んだ。国際局では、アジア通貨危機再発を防ぐための地域金融協力の枠組みであるチェンマイ・イニシアチブの拡大・強化に尽力。2008年のリーマン・ショック時には麻生太郎首相の秘書官を務めた。2011年には、アジア人として初めて経済協力開発機構(OECD)租税委員会の議長に就き、国際課税ルールをグローバル化、デジタル化時代に適応させる歴史的改革をリードした。2015年から財務官を過去最長となる4年間務め、円高や中国人民元急落、米トランプ政権発足などに対応、日本の通貨外交の最前線に立った。2020年から現職。著書に『改訂日米租税条約―コンメンタール』がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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