ダーウィン・エコノミー―自由、競争、公益

電子版価格
¥2,200
  • 電子版あり

ダーウィン・エコノミー―自由、競争、公益

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 324p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532357696
  • NDC分類 331.04
  • Cコード C0033

出版社内容情報

自由市場は個人の利益と公益を分断する――格差拡大で生じる現代の諸問題への解決策を、人気経済学者がダーウィンの発想から提示。■昔のほうが、生活は豊かだった。社会の中間層には経済的活力があり、社会インフラはきちんとメンテナンスされていた。だが、その後何十年にもわたって経済成長率は大きく鈍り、中間層の時間当たり賃金は減少する一方で、CEOの賃金は10倍になった。富の格差は広がる一方だ。

■「経済学の父」とされるアダム・スミスは、自由な市場はすべての人にとっての最善を生み出すと考えた。だが、現実世界を見回すとスミスの「見えざる手」が機能していないように思える。むしろ、ダーウィンが観察したように、個々の動物の利益と、種としての大きな利益は深刻に対立している。

■このダーウィンの観察を、経済に応用したら、どんな世界が見えるだろうか。個人の利益と、社会全体の利益は、どうやってバランスさせればよいのだろうか。格差、教育、公共投資、貧困といった諸問題に対し、人気経済学者が解決策を提示する。

第1章 麻痺状態

第2章 ダーウィンの打ち込んだ楔(くさび)

第3章 テーブルの上に現金はない

第4章 「野獣を飢えさせろ」論――でもどの野獣を?

第5章 「地位的消費の野獣」のダイエット

第6章 加害者と被害者

第7章 効率化のルール

第8章 それはあなたのお金であり……

第9章 成功と幸運

第10章 すばらしいトレードオフ?

第11章 有害な活動への課税

第12章 リバタリアンの反論再考

ロバート・H・フランク[ロバートエイチフランク]
著・文・その他

若林 茂樹[ワカバヤシシゲキ]
翻訳

内容説明

人気経済学者が、自由競争の欠点をダーウィンの観察から鋭く指摘する!

目次

麻痺状態
ダーウィンの打ち込んだ楔
テーブルの上に現金はない
「野獣を飢えさせろ」―でもどの野獣を?
「地位的消費の野獣」のダイエット
加害者と被害者
効率化のルール
それはあなたのお金であり…
成功と幸運
すばらしいトレードオフ?
有害な活動への課税
リバタリアンの反論再考

著者等紹介

フランク,ロバート・H.[フランク,ロバートH.] [Frank,Robert H.]
コーネル大学ジョンソンスクールH・J・ルイス記念経営学教授および同校経済学教授。1966年ジョージア工科大学卒(数学専攻)。71年カリフォルニア大学バークレー校修士課程修了(統計学)、72年同大よりPh.D.(経済学)取得。72年よりコーネル大学にて教鞭を執る。2005年からニューヨーク・タイムズ紙にコラムを執筆している。ニューヨーク州イサカ在住

若林茂樹[ワカバヤシシゲキ]
一橋大学大学院修士課程修了。幼少期を米国で過ごす。国際金融、ストラクチャードファイナンス、都市開発業務等を経て、海外へのインフラ輸出支援業務に従事。(株)日本政策投資銀行勤務。1970年東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toshi53162606

6
進化論の観点から経済学を分析するロバート・H・フランクの名著。 内容としては、消費・貯蓄・投資・軍拡競争・環境保護などのあらゆる面において、いくら個人が合理的に行動したとしても、全体としては最悪の結末になることをダーウィンの洞察や経済学の集合行為問題の観点から述べたもの。 そうした「合成の誤謬」や「共有地の悲劇」が生じるのは相対的な優位性が重要である場面で生じ、それらを防ぐために、累進消費税やピグー税を始めとする課税対策で個人のインセンティブを変えることが有効であるという事実を示している。2022/04/06

ttt

2
神の見えざる手はたびたび機能しない。合成の誤謬が発生し、個人の利益と集団の利益が乖離するから。そもそもアダムスミス自体「神の見えざる手があるから大丈夫」という楽観主義でなく「商人の利己的な行動が社会に恩恵をもたらすことも多いんだ」くらいの慎重な主張だったが彼の弟子がそれを過大解釈した。JSミル「個人の自由を制限することは、それによって他人に危害が及ぶのを防ぐことができる場合にのみ正当である」。消費行動は背景に左右されるのに、伝統的な経済モデルは背景を考慮しない。背景に影響をうける地位財・受けない非地位財2018/07/27

Hidekazu Asai

1
行動経済医学者・ロバート・H・フランクによるリバタニアン批判。 この本で、ジェームズ・スチュワート・ミルの良さを初めて知る。2018/10/01

aby

1
小さな政府を望み、税負担は個人の自由を阻害するものと主張するリバタリアンを批判している。政府が税などの歳入から公共事業に投資することは社会全体に有益な場合が多い。富裕層にとっても公共事業を抑制してデコボコな道路を高級車で走るよりも、整備された道路を普通車で走るほうが快適で豊かなのではないか?とのこと。2018/08/05

hide

1
他者の所有物との相対的優劣で価値が決まる地位財(住宅・ブランド品)の概念と、僅かな能力の差が大きな所得の差につながる経済状況から、累進課税の有用性を説明する章が興味深かった。2018/05/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12706527
  • ご注意事項

最近チェックした商品