内容説明
世界経済危機は再来する!国際協調が実現できなければ、覇権国不在のもとで世界は、大恐慌に匹敵する危機に直面する。経済史、マクロ経済学の大家がケインズの知られざる国際経済学の構想をもとに、経済再生への道を提示する。
目次
第1章 壊れた世界経済
第2章 イギリスの世紀と大恐慌
第3章 マクミラン委員会からブレトンウッズまでのケインズ
第4章 アメリカの世紀と世界金融危機
第5章 ヨーロッパの国際均衡を取り戻す
第6章 世界の国際均衡を取り戻す
第7章 理論を用いて歴史の教訓から学ぶ
著者等紹介
テミン,ピーター[テミン,ピーター] [Temin,Peter]
米マサチューセッツ工科大学名誉教授。大恐慌など、経済史の研究でよく知られる
バインズ,デイビッド[バインズ,デイビッド] [Vines,David]
英オックスフォード大学経済学教授。マクロ経済学者
貫井佳子[ヌキイヨシコ]
翻訳家。青山学院大学国際政治経済学部卒業。証券系シンクタンク、外資系証券会社に勤務後、2002年よりフリーランスで翻訳業に従事。日本証券アナリスト協会検定会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
18
13年初出。1970年代、金利急上昇、インフレ率+失業率=悲惨指数(179頁)は尋常でない水準。この時代を思い 出して次の手を打つべきであろう。223頁によると、今の日銀の金融政策はこの頃の欧米のインフレ・ターゲティング とどこが違うのかと思う。 2015/03/17
酔うた
0
スワン・モデルは対内均衡と対外均衡の交差点という理想があたかも存在するように視覚化してくれて、そこからずれている場合、国内需要と実質為替レートという2つの軸の値を操作すればよいと示唆してくれる。これはケインズの柔らかく鋭い頭脳に由来する産物であるという。今まさにギリシャ危機を乗り越えようと「囚人のジレンマ」にも打ち勝つべく西欧の英知が集結しているという事か。その二つの軸に垂直な第三の軸が経済成長だというように、その正の方向こそ善だとひた走る愚を今の日本政府は行っているように見える。英知は他に使うべきでは?2015/02/24