出版社内容情報
●日本の実態に即した実戦的イノベーションガイド
ベンチャー企業の誕生が少ないことを憂いていてもしょうがありません。日本のイノベーションは企業内イノベーションを生かすことしかないです。
企業内イノベーションは 特定の個人が孤軍奮闘するものではないため、 「優れた」個人の獲得育成に加え、企業内イノベーターを活かすためにどのような組織的な仕組み(エコシステム)を備えるのがより効果的かつ重要になってきます。だが、イノベーション研究は得意な発想を持った人物に焦点を当てそれがどのようにして生まれるのかに焦点が当てられがちです。またイノベーションに関する翻訳書は、ベンチャー企業型が暗黙のうちに主役となっており、企業内イノベーションが中心となる日本の読者にとっては隔靴掻痒なところが大です。
本書は、企業内イノベーションの姿を記述し、それを支える仕組みを明らかにするもの。典型的と思われる4人のイノベーターについて詳細に記述し、リアルな企業内イノベーターの実像を明らかにしました。
A氏:それまでの社会インフラの常識を大きく変える新しいインフラを実現するシステムを作り上げ、その後の当該分野におけるσ社の事業展開の新るシステムを作り上げ、その後の当該分野におけるσ社の事業展開の新たな柱を打ち立てた。
B氏:それまで世界中の専門家たちがたちが狙いつつも実現、事業化できなかった新製品の開発を画期的な手法を利用することで世界に先駆けてなしとげ、同社のイメージリーダーの一つに仕立て上げた。
C氏:成熟した既存の事業部門から自ら離れ、自らの信念とエコシステム創造型事業のコンセプトを元に新しい事業を次々と打ち立てて同社の新しい展開を強力に推進してきた。
D氏:それまで十数年間苦戦を強いられた事業において、市場についての深い洞察力と画期的なマーケティング手法の導入で同社の収益の柱となるまでの変革を短期間に実現した。
【物語篇】では、これらの「猛者」たちが一体どのようにその「資質」をまとい、「経験値」を積み上げ、そして「主役」を全うしたのかを記述。【提言編】では、55人の成功を導いた資質と環境(エコシステム)を解明し、4枚のカード(ガーディアン、アイデア創出、主役、脇役)の用意など必要な戦略を提言します。本書は、学術的なスタイルではなく、ビジネス書としてイノベーションに関心を持つ多くの人々に新たな情報を提供します。多くのビジネスパーソンの共感が得られるリアルな内容です。
内容説明
シリコンバレー型のベンチャー輩出によるイノベーション強化は日本にとって夢物語にすぎない。日本に必要なのは企業内イノベーションの強化だ。実在の企業内イノベーターへの重厚な調査にもとづいて、企業内イノベーションを起こすのはどのような人物で、どのように生まれ、活躍するかを解明。イノベーションに不可欠な4枚のカード、企業内イノベーター・プラットフォーム、経営者の役割についても提言する画期的イノベーション論。
目次
必要なのは日本に適したイノベーターづくり
物語編(独自の世界を描くアーティスト;制御困難な大黒天;力まず時代を創るサイエンティスト;主君不要の稀代の軍師)
提言編(企業内イノベーションを起こすのはどのような人物か;企業内イノベーションを起こすのに不可欠な「4枚のカード」;4人の物語から見えてくるもの;企業内イノベーターはどのように生まれ、活躍するか;企業内イノベーター・プラットフォームを造る;ソトとつながる―イノベーションエコシステムとの接続;経営者の役割)
著者等紹介
半田純一[ハンダジュンイチ]
東京大学大学院経済学研究科特任教授、東京大学グローバルリーダー育成プログラム(GLP/GEAL)推進室兼任。1988年から17年間にわたって、マッキンゼー、A.T.カーニーなどの米系グローバルコンサルティングファームにて経営コンサルティングとその経営に従事。グローバルなパートナー候補評価委員などの役職も歴任。その後、コンサルティング会社を起業。2013年からは、武田薬品工業コーポレートオフィサー人事部長として同社の企業変革を率いるメンバーの一人となる。2016年4月より現職。業界トップ企業の社外取締役も拝任している。論文、講演、国際会議の議長など多数。ハーバード大学経営学大学院修了(MBA)、東京大学社会学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tkokon
Go Extreme
Kanetaka M. Maki
茶屋博紀