出版社内容情報
欧米、さらにアジア企業と比べても遅れが目立ち、国際的に取り残される日本のガバナンス改革の現状と課題を第一線記者が徹底追跡。
内容説明
東芝、シャープ、トヨタ、セブン&アイ、そして三菱自工…市場の声に耳を傾けグッドガバナンスを構築した企業だけが競争に勝ち残る!世界が注視、日本のガバナンス改革。
目次
序章 ガバナンスは企業を救う
第1章 改革と迷走の分かれ目
第2章 先駆者たち
第3章 アクティビズムの咆哮
第4章 ガバナンスの新地平
第5章 「アジア」という視座
終章 賢人たちの言葉
著者等紹介
小平龍四郎[コダイラリュウシロウ]
日本経済新聞編集委員兼論説委員。1988年、早稲田大学第1文学部卒。同年、日本経済新聞社入社。証券部、欧州総局、経済金融部編集委員を経て、現職。英フィナンシャル・タイムズ(FT)のリーダーチーム(論説委員会)への参加経験も持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koji
12
日経書評委員が書かれた書物は、テーマ・論点を絞り、飛躍がなく、すっと頭に入るように書かれており、安心して読めるのが長所です(流石プロ)。本書もそういう1冊です。コーポレートガバナンスを、小糸・ピケンズ事件(1989)まで遡ります。当時は黒船襲来でしたが、今考えると「始まり」だったのですね。本書は、アベノミクスのガバナンス改革とアクティビズムに頁が割かれ頭が整理できました。私が最も同意したのは、ガバナンス改革の要諦は「潜在成長率を高める手段(資本と労働を好循環させ成長の底上げとする方策)」との位置づけです。2017/08/13
Kentaro
3
ダイジェスト版からの要約 ESGとは環境の「E」、社会の「S」、そして統治の「G」を組み合わせた略語。「環境や社会問題に配慮し、株主をはじめとする多様な利害関係者から規律づけされた企業経営」となる。2015年6月に導入されたコーポレートガバナンス・コードは、企業に多様な利害関係者との対話を促し、短期主義に陥ることを避けよといっている。最近は、個別の環境対策や社会活動だけでなく、数字では表しにくい多様な非財務情報を総称して「ESG」という事が多い。従業員の安全・健康状態をESG情報として開示する企業もある。2018/04/05
Kazuo Ebihara
1
昨今、東芝、シャープ、セブン&アイ、トヨタなどの 企業統治のあり方が世界の投資家から不信の目で見られている。 その実態を検証し、 コーポレートガバナンスコード導入により、 日本企業のガバナンス改革は進むのかを探った。 タイのガパオライスを食べながら、 日本のガバナンスを憂え、 英國のガバメントに思いをはせる夏の夕暮れでした。 2016/06/24
kaz
0
「今さら」というような初歩的な解説が文章を冗長にしているところはあるが、コーポレートガバナンスの多面的な考え方やその普及の経緯、米英の見方等を理解するには役に立つ。米国型アクティビズムと英国流エンゲージメントは、どちらも「物言う株主」となるが、意味合いが全く異なるという指摘は、納得。 2017/04/01
Noboru Matsuda
0
配当や自社株買いへの割合を高めることは、設備投資や研究開発といった企業投資を疎かにしかねない。それでも株主は好業績を求める。折り合いって単語は嫌いだけど、難しい。2016/09/24