内容説明
戦国乱世の京の都に、一人の少年が現れた。名は塚原新右衛門高幹、後の卜伝である。兵法修行中の少年は、なぜか謀略渦巻く幕府の権力争いに巻き込まれる。そして幾多の闘いを経て、天下一と呼ばれる彼の前に、突如、謎の敵が…。今なおその名を轟かす「無敵の兵法者」の生涯に迫る痛快小説。
著者等紹介
小島英記[コジマヒデキ]
1945年福岡県生まれ。早稲田大学政治学科卒業。日本経済新聞のパリ特派員、文化部編集委員などを経て作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つねじろう
33
剣を取っては生涯一度も負けたことがなく、晩年は剣を取らなくても勝利する無手勝流まで編み出したと云う剣豪の生涯はやっぱり興味津々でしょ。おっ今から面白くなるのかな〜と思うと一気に年月は流れみたいになり、おっチャンバラ始まったよ〜と思ったら早技で5人もすぐ切り倒されちゃうし。そりゃ強いの分かるけど、「エイッ」「マイッタ」で終わって貰ってもねえ。足利義輝や北畠具教やら山本勘助も登場するがもう少し起伏があっても良かったかなあって。とにかく生涯旅をして新当流を日本全国に広め八十二歳で大往生だった事は分かりました。2014/05/26
シュラフ
19
塚原卜伝という名前はよく聞くのだが、いつの時代の人で、どこの人で、いったい何をやったのか、まったく知らなかった。時代もの好きを自負するからには知っておかねばならぬと思い読んだ一冊。宮本武蔵の太刀を鍋の蓋を盾に受け止めたとよく言われるが、武蔵以前の戦国時代前半くらいの人らしい。在は常陸の鹿島。剣の実力は抜きん出ており生涯で112人を切り倒したということから剣豪の名に値する。甲斐の国との縁があり、信玄や山本勘助らとのつながりがあったというから、歴史における人縁というのはどこかでつながっているものだと思う。2015/01/31
G❗️襄
8
応仁の乱は鎮まれど、足利幕府の権威は失墜、各国守護が争う戦国の世。北条早雲、斎藤道三、謙信、信玄らが勃興する時代である。塚原卜伝、若くして剣を身につけ、回国修行に名を挙げる。本名は塚原新右衛門高幹、鹿島神社千日修行の果て“一太刀”を会得、新当流を開祖「卜伝」と号す。人生三度の諸国修行巡りに多彩な交友を得る。細川政元、武田信直(信虎)、山本勘助、足利義晴、北畠具教、足利義輝、武田晴信等々。兵法弘流の旅の成果である。卜伝を知るには簡潔に纏められ、時代背景と共に解りやすい。信玄三河侵攻の元亀2年3月83歳で没。2025/02/26
niz001
3
なんだか古臭い、思わず親本の発行年月日を確かめる。「エイッ」「参った」ってなぁ…。塚原卜伝の有名なエピソードを盛り込みつつ史実・創作織り交ぜて。あっさりし過ぎてるので物足りない。卜伝を負かす相手として愛洲移香斎を持ってきたのは面白いけど再戦はしないし。2016/05/09
きたじ
1
非常にあっさりして、読みやすい内容でした。 仙人のような人物と勝手イメージしてましたが、人間臭い人物像として描かれており、楽しく読むことができました。2018/07/02