内容説明
「航海記」から半世紀。世界の海山を駆けめぐり膨大な作品を吐き出したマンボウは、いまは世を捨て何も望むことはない。生と死、時間と空間の輪郭が溶けてしまった、洒脱でちょっととぼけた半生記が写す、もうひとつの戦後文学の豊かさ。日経新聞連載「私の履歴書」、待望の文庫化。
目次
1 文学への目覚め
2 執筆開始
3 躁とウツ
4 父と母 妻と娘
5 先輩や友人
6 歳晩に思うこと
著者等紹介
北杜夫[キタモリオ]
1927年東京都出身。東北大学医学部卒業後、神経科の医師に。旧制松本高校時代から父・斎藤茂吉やトーマス・マンの影響で文学に開眼。大学時代に「文芸首都」同人となって執筆活動に入る。60年『夜と霧の隅で』で第43回芥川賞受賞。『楡家の人びと』(64年、第18回毎日出版文化賞受賞)が三島由紀夫、川端康成に激賞され同時代を代表する作家の地位を不動のものとした。2011年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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