内容説明
文学者志望で遊び好きの青年小林一三は、縁あって入った三井銀行で、早々に「ダメ行員」の烙印を押されてしまう。34歳で思い切って退職し、大阪で証券会社の支配人となるはずだったが…。阪急東宝グループの創設者、挫折と雌伏の前半生。
目次
年譜雑感
落第サラリーマン
全力投球の問題
改革者の性格
ダメな行員
プレイボーイ志願
芝居、そして恋愛
運命の人・岩下清周
専務理事対支店長
温情支店長・平賀敏
昼の顔・夜の顔
別の妻
四面楚歌
ドンデン返し
エリート・コース
明暗二筋道
奈落の底
他力本願
著者等紹介
小島直記[コジマナオキ]
1919年福岡県八女市生まれ。東京大学経済学部卒業後、海軍に入り、主計大尉で終戦。戦後、旧制中学教師、ブリヂストンタイヤ勤務等を経て、文筆活動に入り、明治以降の政府界人を取り上げた独自の伝記文学の世界を築く。2008年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
39
上巻は一三が阪急と出会う所までを書いたものだが普通のサラリーマンだなという印象だった。そこからどうなるのかが楽しみだ。2012/12/14
まつうら
18
阪急東宝グループを創業した小林一三の生涯を綴った作品。いきなり冒頭で、三井銀行のダメリーマンだった小林をひもとき、どうしてサラリーマン落第だったのかを論じ始める。文学青年がお堅い銀行員なんて務まるわけがないというのがこれまでの定説だが、著者いわく、小林は勤労意欲が低いので、そもそも宮仕えに向かないのだという。なかなか興味深い議論だ。しかし後年、箕面有馬電気軌道を立ち上げるとき、「きみはサラリーマン根性が抜けておらん!」 と岩下清周に一喝されるのだから、ちょっと複雑なダメリーマンだ。(下巻に続く)2022/02/17
atsut101
3
阪急東宝グループ創設者の小林一三氏の挫折と雌伏の前半生部分。ダメ人間ぶりが徹底しています。立志伝を予想していると裏切られます。2013/04/14
Hirohiro
1
少なくとも上巻については読んだ価値を感じませんでした2012/11/29
ちょゆき
0
上巻の内容まででは、現代の日本の社会においても多大な影響をもたらすような偉業をなし得たような人物には到底思えないことが印象に残った。また、小林一三を取り巻く三井銀行の面々も、後の日本にとって大きな偉業を成し得ており、以降の日本の土台がこの時代に築かれていったことを知れて興味深い内容だった。 下巻の展開も楽しみに読み進めていきたい。2023/11/19