内容説明
どうしたら優秀な経営者が育つのか―。稲盛和夫氏や柳井正氏など辣腕経営者との議論をもとに、リスクや失敗に対する姿勢や考え方、定石、洞察力などの観点から、すぐれた人材を育てるための独自手法「経営者としてのスキルセット」を提唱する。
目次
第1部 経営者スキルセット(経営者の時代;経営者に必要なスキルセット;経営者のアート系スキル(1):強烈な意志
経営者のアート系スキル(2):勇気
経営者のアート系スキル(3):インサイト
経営者のアート系スキル(4):しつこさ
経営者のアート系スキル(5):ソフトな統率力)
第2部 いかにしてスキルセットを習得するか(習得プロセスを構築し、習慣化する;「体験」を通じて習得する;スキルセットを使い分ける)
著者等紹介
菅野寛[カンノヒロシ]
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、早稲田大学客員教授。東京工業大学工学部卒業、同大学院修士課程修了。カーネギー・メロン大学経営工学修士(MBA with Award)。株式会社日建設計、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)を経て2008年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yohei
3
★★★☆☆日本企業の低迷は技術力でなく、経営者の責任が重大、として経営者が必要なスキルと育成について記した本。ロジカルシンキングなど科学スキルは管理職には必要だが、経営者はむしろアート系スキルが重要。結果を出すという強い意思、ロジカルシンキングの限界を打破して新しいフレームワークを考えるインサイト、トレードオフを見極めたうえでリスクを取り意思決定をすること。競合よりも一歩先をいくのなら、経営思考も一歩先でなければならない、その意味でBCGで使われる定石のPPMも使いこなせばここまで進化するのかと驚く。2015/03/27
より
1
★★☆2018/04/22
seura
1
買いたい。柳井さん、セブンの鈴木さんなどの言葉を裏付けとして、経営者に必要な心のことが書いてある/測定し、集中して、結果/やっぱ、ゴリゴリやるだけじゃダメなんじゃね?と思った/北風だけじゃなくて太陽的な部分もいるよね2016/07/29
Sato1219
1
経営者に求められるスキルとして、マネジメント知識(ビジネススクールで学ぶようなもの)やロジカル・シンキングのような科学的スキルだけでなく、意思や勇気、しつこさといったアート系スキルの重要性を述べている。「スキル」と言うより「資質」というべきものか、と思ったが、たぶん、後天的に習得可能なものと考えるゆえの表現なのだろう。また、科学的スキルは足し算概念で部下の手を借りることも可能だが、アート系スキルはかけ算の概念で、一部が欠けるとゼロになるとか、修羅場や背水の陣の体験を経てこそ育成可能だとか、なるほど。2013/06/01
American Blue
1
今の日本企業に足りないのは経営資源(ヒト・モノ・カネ)ではなく経営者だと。そして経営者に必要なのは知識・論理思考等の「サイエンス系スキル」といわゆるリーダーシップと一言で言われることの多い「アート系スキル」。形式知化や仕組化が困難な後者を開発するためのヒントと著者の経験が書かれている。数冊のリーダーシップの教科書にもなぞらえた解説と著者の経験に基づく考えがとても分かりやすい。 ちなみに、アート系スキルは5つに分解され①強烈な意志②勇気③インサイト④しつこさ⑤ソフトな統率力。2012/04/04