内容説明
個人は優秀なのに、なぜ“組織”は、不条理な行動に突き進むのか?日本陸軍の失敗を題材に、「取引コスト理論」「エージェンシー理論」「所有権理論」といった最新の経済学理論を使い、現代企業が抱える組織の問題を解き明かした話題作。
目次
プロローグ 不条理な日本陸軍から何を学ぶか
第1部 組織の不条理解明に向けて(組織の新しい見方―新制度派経済学入門;組織はなぜ不条理に陥るか―不条理な組織行動を説明する理論)
第2部 組織の不条理と条理の事例(大東亜戦争における日本軍の興亡―日本軍はどのように戦ったか;不条理なガダルカナル戦―なぜ組織は後もどりできなかったのか;不条理なインパール作戦―なぜ組織は最悪の作戦を阻止できなかったのか;不条理を回避したジャワ軍政―なぜ組織は大量虐殺を回避できたのか;不条理を回避した硫黄島戦と沖縄戦―なぜ組織は大量の無駄死にを回避できたのか)
第3部 組織の不条理を超えて(組織の本質―軍事組織と企業組織;組織の不条理と条理―進化か淘汰か;組織の不条理を超えて―不条理と戦う企業戦士たち)
エピローグ 不条理な日本陸軍から何を学べたか
著者等紹介
菊澤研宗[キクザワケンシュウ]
慶應義塾大学商学部教授。慶應義塾大学商学部卒業。慶応義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。ニューヨーク大学スターン経営大学院客員研究員、防衛大学校社会科学教室教授などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark
20
なかなか興味深い。新たに気づかせてくれる視点がありました。2017/09/17
Porco
15
とっつきにくい本かと思ったら、意外と読みやすかったです(よくわからない部分もありましたが)。特に太平洋戦争史に興味がある方にとっては面白いと思います。将校の人間性や能力ではなく、制度論で分析されているのは、他ではあまりない視点なのでは(文庫版あとがきでは、結局、自由意志の問題に帰ってきている感じもしますが)。企業の組織論としては、まわりくどく感じる方もいるかもしれませんが、実感として正しいことを理論的に説明してくれているように思いました。2023/03/31
naimon
8
太平洋戦争における日本軍の不条理な組織行動に対して、その理由を分析している本。薄っぺらい分析ではなく、「人間は限定合理的」という視点で「取引コスト理論」「エージェンシー理論」「所有権理論」を用いて、過去の軍事行動、そして現在の様々な会社経営の分析を行っている。組織運営に正解は無いとはいえ、世の中の理にかなり近いのでは?適当に書かれた「マネジメント本」より絶対にこちらがオススメ。2010/03/14
YJ
4
かなり読みやすい。取引コスト、エージェンシー、所有権。2017/01/03
より
2
★★★2018/04/22
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- 和書
- ソングの哲学