内容説明
現代時代は“牛若丸”の異名をとった名遊撃手として、引退後はバース・掛布・岡田のクリンナップで日本一になった当時の監督として、ある意味阪神という球団を体現する野球人の自伝。江夏、田淵から矢野、金本まで「猛虎列伝」も読み応えたっぷり。
目次
第1部 牛若丸の履歴書(野球少年;牛若丸の青春;牛若丸誕生;鍛え直す;栄光を経て;爆発!猛虎軍団;すべては野球のために)
第2部 牛若丸の見た猛虎群像
著者等紹介
吉田義男[ヨシダヨシオ]
野球解説者。1933年京都市生まれ。53年阪神タイガース入団。小柄ながら走攻守三拍子そろった名選手として、「牛若丸」の異名をとる。69年現役引退。ベストナイン9回は遊撃手最多記録。引退後の75(~77)、85(~87)、97(~98)年度、阪神監督を三度務め、85年に日本一に導いた。92年から6年間、フランス・ナショナルチーム監督も務める。背番号23は阪神の永久欠番(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
61
野球には詳しくない。しかし著者は21年ぶりのリーグ優勝と日本一を実現した監督である。読むしかない! 前半の自伝。兄に助けられて野球を続けることができた話にはホロッとさせられる。現役時代は知らないが、当時の野球界の話は抜群におもしろく、どんどん読める。伝説の日本一に輝いた年、そしてフランス野球から3度目の監督時代。後半の選手の思い出や評価も、監督としての的確な視線で書かれる。選手を生かすためには、性格や適性を知りつくすことが大切だろうが、生かし切れなかったときの状況へのくやしさもストレートに伝わってくる。2020/04/07
ぺんぎん
6
ひとくちに野球選手と言っても、ソツのない人からぶっきらぼうな人まで、色んな人がいるものだなと思った。吉田義男氏は、若くして両親を亡くしたり、マスコミに無いことを悪く書かれたりもしたけど、周りの人に恵まれて良い人生を送っている印象。本人も周りの人のことを良く見て、大切にしているのが伝わってくる。2019/07/04
田中
3
選手として、監督として、解説者として、長い間に渡ってタイガースに関わっているのは吉田だけである。伝説の名選手「藤村冨美男」に怒鳴られた話は興味深かった。吉田が大リーグを研究していたのは知らなかったので驚いた。村山に抱いた複雑な感情もそれとなく触れられている。江夏放出に関わった監督時代、どれだけ江夏に憎まれたのかは、本人が一番よく分かっていたようだ。吉田の隠然とした力は、今でも多少なりにタイガースに及ぼしている。江夏が今年のキャンプに臨時コーチとしてタイガース投手陣を指導する機会を与えたのは吉田の贖罪かな。2015/04/25
どぶりん
2
私がファンになった70年代を含む昔から現在に至るまでの主なよい&悪い出来事が書いてあり興味深いエピソードが多く書かれてあった。三回も阪神の監督の依頼を貰えるなんて凄い!2014/01/18