感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
38
クリスティーの作品を中心に、誤訳の数々を検証した解説本。翻訳物の読み難さを味わっている方も多いとは思いますが、理解できないのは自分の日本語能力が低くてバカだからと考えてましたが、実態がこんなことになっているとは!A氏やB子のAを「頭のいい人」とか、そのまま外来語として使っているBORDER LINEを「縁取り」、BOOKMAKERを「出版屋」とか、信じられないような誤訳の山です。これでは意味不明で当然。最近至る所で新訳が出ていますが、果たして修正されているのでしょうか?2014/01/23
timeturner
8
「インターネットがない時代だったから」ではすまない「ご指摘ご尤も」な誤訳が多いので、続けて読んでいると翻訳者の身になってつらくなる。単語ごとに項目分けしてアルファベット順に並んでいるので、誤訳しやすい語をチェックするための辞典として使うべきかも。作者が弁護士なので法廷関係用語、イギリス法曹界のシステムについてきちんと書いてあるのがとても参考になる。2021/08/22
もっち
5
主にクリスティの翻訳から集めた誤訳の解説 これは難解だと納得するものからあり得ないほど初歩的なミスまで、とても勉強になる 同じ文について、複数の訳者による訳が並んでいる(そして全員間違っていたりする)のもおもしろい 実際に翻訳された本だけを読んでいても気付かないもんなあ 出典ごとの索引もあればなおよかった2010/09/14