内容説明
時を超えて人々を魅了し続ける「般若心経」。このわずか262文字の経典にはいったい何が書かれているのか?般若心経に込められた明日を生きるための智慧を、ユニークでわかりやすい解説で知られる著者がやさしく読み解く、絶妙の人生案内。
目次
「布施」のこころ
取り越し苦労はするな!
人間の物差しはゴム紐だ
「ほとけの幸福」「餓鬼の幸福」
観音さまはお見通し
レッテルをはがせ!
苦しみ、悲しみに実体はない
苦を「苦」にするな!
「仏下駄主義」のすすめ
原因と結果を逆にするな!
中道とは「いい加減」精神
「ほとけの智慧」「凡夫の智恵」
布施とは「捨てる」こと
「少欲知足」のすすめ
迷惑をかけている自覚
「戒」を守ることの意味
「ほとけのこころ」を知る
「ほとけさま、ありがとう」
著者等紹介
ひろさちや[ヒロサチヤ]
大正大学客員教授、評論家。1936年大阪生まれ。60年東京大学文学部インド哲学科卒業。65年東京大学人文科学研究科博士課程修了。気象大学校助教授、教授を経て現職
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAKAPO
28
しばらく積読にしていたことを後悔してしまうほど、私にとっては良書でした。私がどうしても理解できない「空」という概念を、「人間のものさし」と「仏さまのものさし」という比喩を用いて易しく解説してくださっています。私たち、特に日本人は「人間のものさし」で自分の幸せを測ろうとして、自分だけの幸せを追求しようとしていますが、それでは決して幸せになれないことがよくわかります。「仏さまのものさしで」測れるようになろうと、よい習慣を身につけることが幸せになるための修行です。2019/05/16
黒頭巾ちゃん
24
「人と比較しない」「迷うということはどうでもいいこと」「レッテルで判断しない」「頑張るとは我を張ること」「布施は利他の精神」など気付きが多く、今の日本人に忘れていることばかりでした(><)これを読んで少しでも、みんなが穏やかに過ごしていた日本を思い出してほしいです。2013/09/19
かに
5
観音様は、我々に素晴らしい体験をさせようと出来事を与えてくれている。 四苦八苦が「苦」なのは、それ自体が苦なのではなく、それが「思いどおりにならない」ということが苦である。要は「あきらめる」ことである。ここでの「あきらめる」は「明らめる」ということであり、物事の真理を明らかにするということであり、真理なんて考えてもわからないんだから、仏の判断に委ねようということ。 道徳的には、他人に迷惑をかけないようにしようは正しい。仏教は、他人に迷惑をかけているのだから、他人から受ける迷惑を堪え忍びなさいという教え。2023/02/13
あんパパ
3
大乗仏教や般若心経がすべてとは思わないが、「智恵」では無く「智慧」を実践できる人間になりたいものだと感じた2012/07/22
7a
3
一つしかないケーキを二つに分けて「あなたと分けることで美味しく食べられました。ありがとう」そんな風に思えるお布施の精神を大事にしたいと思いました。2011/02/15