出版社内容情報
華僑でもイスラムでもない謎の民プラナカン。その源流は15?16世紀中国大陸にさかのぼる。東南アジアを動かす彼らの素顔に迫る。【気高い美意識の謎に満ちた氏族】
プラナカンと呼ばれる異色の民が、東南アジアの国々にいる。 ある者は貿易で巨万の富をつかむ夢を抱いて。またある者は凶作と貧困から逃げ出すために。福建や広東の華人たちは、生死をかけてマラッカ海峡の新天地を目指した。男たちはマレー半島やスマトラ島、ジャワ島の妻と所帯を持った。熱帯の日差しを浴びて生まれ育った子孫が、やがて中国でもマレーでもない、万華鏡のように色鮮やかな独自の文化を開花させていった。彼らは、華僑とも異なる存在で、アジア経済界で隠然とした勢力を誇ち、その気高い美意識を誇る氏族の素顔は、いまなお謎に包まれている。19世紀には英国の東インド会社と手を組み、香辛料貿易、スズ鉱山、ゴム栽培で商才を奮った。あるいはアヘン取引、奴隷貿易によって無尽蔵の財をなした。富を現代に継ぐ末裔は、自らの歴史を封印したまま多くを語らない。
欧州の列強国とアジアの狭間で繁栄し、絢爛な文化を築き上げた彼らは、グローバリゼーションの波間を駆け抜ける「通商貴族」とも呼ぶべき存在だった。彼らは経済をどのように牛耳り、歴代の先人が残したその伝統を、誰が未来に渡すのか。栄華の痕跡を残すマラッカ、ペナン、シンガポールの街のほか、東南アジアの各地をめぐり、秘められたペラナカンの物語の扉を開く。
【本書の目次】
序章 謎に包まれた民 ?.リー・クアンユーの秘密 ?. 日本が破壊したもの、支えたもの
?. グローバリゼーションの地政学 ?. 通商貴族の美意識 ?.東南アジアの古層と階級
?. 独自の色彩感覚とスパイス ?.死への意識とノスタルジー ?. 明日に富を継ぐ者たち
プロローグ 謎に包まれた民
第1章 リー・クアンユーの秘密
第2章 色彩とスパイス
第3章 日本が破壊したもの・支えたもの
第4章 通商貴族の地政学
第5章 明日を継ぐ者
エピローグ 消えていく時がきた
太田 泰彦[オオタヤスヒコ]
著・文・その他
内容説明
プラナカンと呼ばれる異色の民が、東南アジアの国々にいる。彼らは、華僑とも異なる存在で、アジア経済界で隠然とした勢力を持ち、その気高い美意識を誇る氏族の素顔は、いまなお謎に包まれている。彼らは経済をどのように牛耳り、歴代の先人が残したその伝統を、誰が未来に渡すのか。栄華の痕跡を残すマラッカ、ペナン、シンガポールの街のほか、東南アジアの各地をめぐり、秘められたプラナカンの物語の扉を開く。
目次
プロローグ 謎に包まれた民
第1章 リー・クアンユーの秘密
第2章 色彩とスパイス
第3章 日本が破壊したもの・支えたもの
第4章 通商貴族の地政学
第5章 明日を継ぐ者
エピローグ
著者等紹介
太田泰彦[オオタヤスヒコ]
日本経済新聞社記者。1985年に入社。米マサチューセッツ工科大学(MIT)留学後、ワシントン、フランクフルトに駐在。2004年より編集委員兼論説委員。一面コラム「春秋」の執筆を10年間担当した。15年に東京からシンガポールに取材拠点を移し、地政学、通商、外交、イノベーション、国際金融などをテーマにアジア全域で取材。2017年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞した。1961年東京生まれ。北海道大学理学部卒(物理化学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
エリク
Akihiro Nishio
makimakimasa
himehikage