内容説明
これまで発見されたコロニーには、奇妙な共通点があった。ただひとつの惑星を例外として、いずれも宇宙旅行技術を発達させられていないのだ。挫折を乗り越えて、ふたたび長期探査計画に身を投じたコンタクト技術者ザッカリーは、かすかな糸をたどるうち、ついにひとつの仮説にゆきつくが…。星に憑かれた者たちが大宇宙の歴史の中に見出したものは?本格派が贈る宇宙SF。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
赤井流久
1
☆☆ 解説にはハードSFではないとあるが、私からすれば大いにハードSFであった。SF的な仕掛けにより文章を割き、物語の展開が停滞してどうもしっくりこないというのが、ハードSFに対する、私のある意味偏見に満ちた見解なのだが、この作品もそんな印象を拭えなかった。 あんなに利己的だった、主人公のかつての上官が、最終局面で主人公に同調するというのは、やはり都合がよすぎるのではないだろうか。ほとんどの果実を自分に利するように、それまでねちっこく立ち回っていたのが、何の伏線にもなっていないように感じる。2014/06/18