出版社内容情報
学生はワンコインで食べられる夜食専門店。痩せて可愛くなりたい若葉、何を食べてもおいしくない学年トップの小春、オーガニック料理だけで育った凌真......。悲しみや寂しさを少しずつ消化できるように、店主の朝日さんは愛情を込めた一皿をつくる。孤独な心に力が満ちて、止まっていた時間が動き出す。世界一優しいお夜食で再生していく感動作。
内容説明
学生はワンコインで食べられる夜食専門店。痩せて可愛くなりたい若葉、何を食べてもおいしくない学年トップの小春、オーガニック料理だけで育った凌真…。悲しみや寂しさを少しずつ消化できるように、店主の朝日さんは愛情を込めた一皿をつくる。孤独な心に力が満ちて、止まっていた時間が動き出す。世界一優しいお夜食で再生していく感動作。
著者等紹介
汐見夏衛[シオミナツエ]
鹿児島県出身。2016年『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Karl Heintz Schneider
45
「この世でいちばんあったかくて優しい食事は夜食だと思うから。」お夜食処あさひの営業時間は朝8時から夜10時。開店時間と閉店時間が逆じゃない?と思うが、この店には、そんな店主・朝日の想いが込められていた。高架下商店街の狭い路地にあるその店の看板は普通に歩いていたら見落としてしまいそうなほど小さい。この店の存在に気づいて扉をくぐる人は、お夜食を必要としているのかもしれない「そんな思いを抱えて店を訪れる4人の物語。第5話にだけは店主の想いが綴られている。2023/10/18
たまきら
30
「あの花」の作家さん、娘さんチョイス。食べ物の持つ力を信じている私には、とても自然に受けとめられる小説でした。伊丹十三さんの映画「たんぽぽ」で、首から人参をぶら下げた少年のエピソードがあったなあ…とちょっとしんみりしました。さよならごはんより、いいタイトルがある気がするけどな…。2024/12/07
わむう
25
学生は百円、初回はなんと無料で食べられる「夜食処あさひ」。匂いと温もりに、心が冷えた学生たちがやってきます。高校受験に失敗した子、毎日、孤食をしている子、マクロビオティック信仰の母親を持つ子など。心も体も喜ぶごはん、そして何よりも、きちんと作りなさいというプレッシャーではなく、手抜きでもいいよというメッセージが有難いです。店主の過去が明かされてないので続編で、明かされるのかな?2024/06/15
はるれんママ
18
汐見夏衛さんの作品は娘と一緒に定期的に読ませていただいてます。母と娘がテーマになっている事が多いので読んだ後必ず私も自身の態度を省みるのですが。今回はご飯がテーマ。確かに子供の時って自分の好きな物より親が出すご飯が当たり前に食べてました。それが必ずしも良い思い出ばかりではない事も。作中の朝日さんも言ってたけど、やっぱり生きる事とたべる事は表裏一体。笑顔で美味しいって食べられる事ってすごく大事と思えました。2024/09/23
あやな
17
汐見さんらしい、心に寄り添うような優しい1冊だった。日々勉強に追われる小春、体型がコンプレックスの若葉、オーガニック料理しか食べたことがない淩真。登場人物たちが抱える悩みは予想以上に重く辛いものだったが、お夜食屋を営む朝日さんの料理と言葉をきっかけに、前を向いて進んでゆく姿に感動した。来年発売される続編が楽しみ😊 「問題が解決しなくても、葛藤を抱えたままでも、それはそれとして、自分の人生を前を向いて歩む。それができれば上等だよ。」2023/10/08