内容説明
私とセックスして子供を作って欲しいんです―妻子ある44歳の大学教授が、10歳近く歳下の女性弁護士から持ちかけられた相談。バリバリ仕事をこなす彼女は結婚に失敗したシングルマザー。「男性に煩わされることなく、もう一人子供が欲しい」。内閣府の検討会メンバーの二人はやがて、主宰する大臣が政治的野心で進める選択的シングルマザー計画の爼上に載せられ、国の少子化対策のシンボル的役割を担わされるのだが…日経小説大賞受賞第一作。
著者等紹介
芦崎笙[アシザキショウ]
1983年大蔵省(現財務省)入省後、税務署長、大使館、金融庁、内閣官房などの勤務を経て、財務省大臣官房審議官。2013年、女性銀行員の組織との葛藤を描いた『スコールの夜』で第5回日経小説大賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
choco
45
一夫多妻制、シングルで子供を産み育てる女性の自立…なんだか、謳い文句はいいがしっくりこないラストへ。結局は、総理大臣になりたくて仕方がない杉下と不倫を大々的に法に触れないようにしたい夫婦と、シングルだけど、もう一人子供が欲しい翔子と、旦那から独立したかった嫁のバラバラな目標がたまたま一致しただけな一冊。精子提供は海外では認められるみたいだが、一体家族ってなんなのか…精神的な繋がりは一種の責任からくる部分も否定出来ない。責任があるからこそ相手を大切に、家族を大切にするのか?しかし、ラストはつまらん!2015/11/26
千穂
39
内閣府の生殖医療討論会のメンバーである大学教授が同じくメンバーのシングルマザーで弁護士として働く女性からもう1人子どもを持つための手助けをと願われる。少子化、不妊医療等テーマは面白いのだが、結局話が進まない。2021/01/30
なゆ
36
新しい家族の形、進化する女性たちの意識…そういったものが読めるかと思ったが、なんか違った。妻と娘の反応といい男性目線の空気が強くて、どうも。私には合わない本、ということでしょう。2015/07/19
keith
28
内閣府の生殖医療の検討会のメンバーである妻子ある大学教授が、同じメンバーであるシングルマザーの女性弁護士から「私とセックスして子供を作って欲しい」と依頼される。そこに一夫多妻制の導入といった政治の思惑も絡んでくる。ドロドロした展開を期待していたのだが、何やら、頭のいい人たちが小難しい理屈をこねまわして、あれやこれや言っているだけで面白くなかった。2015/07/25
おさむ
27
精子バンクに同性結婚、進んだ(?)米国の家族事情を描いた映画「キッズ・オーライト」を思い出しました。米国は日本の10年後の世界とよく言われます。「クレイマー・クレイマー」のような家族はもう今や当たり前。日本でもステップファミリー、増えてますしね。2015/07/08