黒書院の六兵衛〈上〉

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黒書院の六兵衛〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 277p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532171230
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

二百六十年の政にまもられてきた世がなしくずしに変わる時。開城前夜の江戸城に官軍の先遣隊長として送り込まれた尾張徳川家の徒組頭が見たのは、宿直部屋に居座る御書院番士だった。司令塔の西郷隆盛は、腕ずく力ずくで引きずり出してはならぬという。外は上野の彰義隊と官軍、欧米列強の軍勢が睨み合い、一触即発の危機。悶着など起こそうものなら、江戸は戦になる。この謎の旗本、いったい何者なのか―。

著者等紹介

浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。95年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、06年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞、司馬遼太郎賞、08年『中原の虹』で吉川英治文学賞、10年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞を受賞。著作多数。11年より日本ペンクラブ会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koba

137
★★★☆☆2014/04/13

藤枝梅安

123
浅田さんの「幕末」もの。江戸無血開城の取り決めの後、旗本が全て退去したはずの江戸城に、一人だけ残った旗本が、動こうとしない。徳川御三家のひとつでありながら官軍に与した尾張徳川家の下級武士が、江戸城への官軍先遣隊として派遣される。「動かない旗本」の処遇を巡り、貧乏くじをひかされた若い武士のほか、勝海舟・福地源一郎・乾(板垣)退助等が登場し、関係者への聞き込みが始まる。ナゾの旗本・的矢六兵衛。聞き込みの結果、次第に真相が明かされていくが、当の本人は微動だにせず。上巻は「長いプロローグ」ですね。2014/03/23

文庫フリーク@灯れ松明の火

103
江戸八百八町を戦場とさせぬため、勝海舟と西郷隆盛の直談判で決まった不戦開城・江戸城明け渡し。官軍たる西郷が厳に命じたのは「江戸城引き渡しの儀に於いて、腕ずく力ずくは一切まかりならぬ」その江戸城西の丸に開城談判が成ったとたん、槓(てこ)でも動かぬ無言の侍一人。名は的矢六兵衛、戦時には将軍親衛隊となり、平時には将軍の身辺警護・儀式を行う御書院番士。勝の説得にも応じず、官軍入城の露払いを任された尾張徳川家の軽輩・御徒組頭の加倉井隼人と外国奉行支配通弁・福地源一郎が六兵衛の説得に乗り出す。迫る江戸城明け渡しの→2013/11/24

あすなろ

93
動かぬ六兵衛。株を買った六兵衛。彼は、何を考えているんだろう?そればかり考えて終わった。江戸城の無血開城の事は、全く知識なく、浅田節に乗りながら、勉強になった。しかし、成り代わった六兵衛、ホント気になる。黙して止まず、の上巻。2014/11/06

chimako

89
黒書院の六兵衛は瞬きもせず座り続ける。既に江戸城の明け渡しは決まってしまったというのに。官軍の勅使として城に入った加倉井隼人は幕府側の勝海舟と何とか六兵衛を退出させんと画策する。しかし、一言も口を利くこと無く、六兵衛は城の奥へ奥へと場所を変える。その上、この的矢六兵衛には何とも理解しがたい事情があるらしい。どうも偽者だというのだ。ここに居座る六兵衛は一体誰なのか。今はまだ何も語られてはいない。当の六兵衛は周りの焦燥を知ってか知らずか六尺の立派な体躯を帝鑑の間の図と化し、ただただ座り続ける。下巻へ。2016/11/20

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