内容説明
歌舞伎から、ミュージカル、現代劇まで、全身全霊をかけて演じてきた60余年の役者人生を振り返り、「演劇としての歌舞伎」「日本の現代劇」をさらに追い求める決意と自負を表明した、異色の自伝!32歳から71歳まで、舞台開演前の抱負を一挙収録。
目次
第1章 私の履歴書(両親―震災で画家断念した父;吾兒の生立―子への愛情、克明に記述;戦時下―都心に空襲、日光に疎開;初舞台―出番間近に泣きわめく;染五郎襲名―父「芸は自分で覚えろ」;学校―健康優良、先生と良き絆;いじめ―芸の修業のほうが辛く;青春の迷い―束縛ない同世代に羨望 ほか)
第2章 開演の前に―昭和四十九年~平成二十五年
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まやま
1
カバーの写真が象徴するように、幸四郎さんって生真面目な人だなあ、というのが印象。随分前にこの人の俊寛僧都を見て、最後のシーンにゾクゾクさせられたことを思い出しました。ラ・マンチャの男、未鑑賞なんだけど、一度見てみたい。2014/01/07
クリイロエビチャ
0
これは読んで失敗。新聞に連載しているときの「履歴書」はちょうどいい文量、でも一冊にまとめるとコマギレ感が半端なくて物足りなさだけ残る。それに兄側からみた弟についても読みたかったのに、言及されてなかったし。東宝から吉右衛門さん一人だけ松竹に戻った時のことも「歌舞伎に専念するために弟は松竹に戻り」って一行だけ。つめたいなぁ。「脇役をやる機会がない」といったような言葉だけが印象的だった。確かに、名門は名門でやる役決まっちゃうもんな。とにかく初代吉右衛門も父・幸四郎も「私」が継ぐのだ、という強烈な意志は理解した。2014/02/15