内容説明
「日本人」のあなたのルーツは、日本語のどこにある?「アメリカン」の意味は、これからどこへ広がる?生活の根っこをさぐり、ユーモアの種を大胆にまくこの一冊から、本物の「対等な日米関係」が始まる!最新エッセイ集。
目次
1 アメリカにないアメリカン(どんぐりの旅;アメリカにないアメリカン ほか)
2 泥にはまって(祖父がいた日本;歩行の初歩 ほか)
3 粗茶ですが(みんなで歩けば;ソバガキソング ほか)
4 わらしべ流(歌の内蔵型自動PR装置;新旧を問う ほか)
著者等紹介
ビナード,アーサー[ビナード,アーサー][Binard,Arthur]
1967年、米国ミシガン州生まれ。ニューヨークのコルゲート大学で英米文学を学び、卒業と同時に来日、日本語での詩作を始める。2001年に詩集『釣り上げては』(思潮社)で中原中也賞、2005年に『日本語ぽこりぽこり』(小学館)で講談社エッセイ賞、2007年に『ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞、2008年に詩集『左右の安全』(集英社)で山本健吉文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メタボン
31
☆☆☆★ 物の見方、切り口が新鮮で面白かった。ところどころに引用されている英語の詩や、ちょっと昔の日本の詩も、なかなかに良いチョイスだ。日経新聞の夕刊に掲載されたコラムが多かったが、確かに一日の終わりにちょっと読むコラムとして最適だと思う。詩人のエッセイは面白い。2016/03/25
うなぎ
11
途中で脱落。でも内容濃ゆくて面白い。アメリカの方で、そこらの日本人より日本の文化に詳しく、詩人として日本で賞を貰い、青森の方言で書かれた詩も俳句や和歌の掛け言葉を理解し、能も楽しむユーモアたっぷりのおじ様のエッセイ。宮沢賢治の雨ニモ負ケズをなぜか懐かしい気持ちになるのは何故とわかった瞬間が面白い。「アメリカの郵便局の、あのモットーというかスローガンじゃないか!」と。2020/01/30
たくのみ
10
翻訳家、詩人にして、コメンテーター。アーサー・ビナードさんのエッセイ。「雨にも負けず」からヘロドトスにつながる流れ。「小泉八雲の舊(旧)居跡」から、旧だと「舊体制」の豊かな部分を捨ててしまうことに言及。落語から16世紀のフランスの小噺のつながり、「箴言集」「碍子」「敦盛」…この人の知識と関心の広さは底が見えない。アメリカの人に、日本語と日本文化の素晴らしさを教えられちゃいました。2013/11/12
なべさん
9
地元に講演に来たけど、見に行かず。本が置いてあったので手にとったら面白くて講演行けば良かったと後悔してます。日本語を世界的視野で見るとどうなるのかということが分かって面白い。2019/03/21
Tomoko.H
8
とても読みやすく、すぐ読めた。日本語や東西の文化に造詣が深いなあ。わからない単語に出合うとその語源まで調べちゃうっていう好奇心もすごい。丁寧に書かれていてどれも面白いけど、やっぱり言葉に関するネタが好きだな。2017/02/21