出版社内容情報
モンゴルは「戦わない軍隊」だった。マルコポーロは実在自体が疑わしい――。膨大な多言語資料を検証すると歴史の姿が違って見える。モンゴル研究の第一人者が、欧州史観と中華主義に偏った世界史像を問い直す。
内容説明
モンゴルは「戦わない軍隊」だったし、マルコ・ポーロはその実在自体が疑わしい―。膨大な多言語史料のなかから、知られざる歴史の真実を照らし出す。
目次
序章 私たちはどこにいるのか―歴史を見つめる眼(グローバル時代と9・11;歴史研究のビッグバンが始まった)
第1章 ユーラシア史をとらえ直す(一九世紀の負の遺産=「世界史」という科目;遊牧文明もうひとつの世界史 ほか)
第2章 文物と文学が照らし出す大モンゴル(元代中国は「文化不毛の時代」ではない;青花との出合い ほか)
第3章 ユーラシアのなかの日本史(大陸から見た蒙古襲来;鎌倉日本に外交はなかった ほか)
第4章 見えない歴史を探して(東西の文献と風光をたずねて;地球環境学・古典学・歴史学 ほか)
著者等紹介
杉山正明[スギヤママサアキ]
昭和27(1952)年静岡県生まれ。京都大学文学部卒業後、同大学大学院文学研究科博士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、京都女子大学文学部専任講師、助教授をへて、現在、京都大学大学院文学研究科教授。東洋史を専攻、主要研究テーマはモンゴル時代史。日本におけるモンゴル研究の第一人者。主な著書は『クビライの挑戦』(朝日新聞社、サントリー学芸賞受賞)など多数
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感想・レビュー
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ダージリン
3
最近、杉山氏の別の著書を読み、モンゴルやユーラシア史は面白いと思い読んでみた。高校時代に教わった教科書でのイメージとはやはり趣が異なっている。中国で描かれる元と、大元ウルスの実像とは乖離が大きそうだし、ユーラシア全域にモンゴルが与えたインパクトの大きさは随分過小評価されていたようだ。2025/02/27
宣和堂
0
杉山センセの本。911同時多発テロから大河ドラマ北条時宗の時代考証の経験談など、どちらかと言えばエッセイ風の話が多い。杉山センセの本としては比較的読みやすいかも。2011/08/01
黒澤P
0
モンゴル視点のユーラシア史はとってもダイナミック。2008/04/15