出版社内容情報
マイナス金利、責任投資、ガバナンス問題??。多様化する企業年金運用の課題と解決策を、専門家の理論と現場の実践知から示す。5年ぶりに運用利回りがマイナスとなった企業年金の資産運用。マイナス金利、低成長のいま、どのような運用を行うべきなのか!
日本の企業年金基金は、厚生年金基金の代行返上、予定利率の引き下げ、給付減額などを通じて財政改善が進む中、アベノミクス効果もあり財政剰余時代に突入しました。
一方で企業年金基金には、高ROE経営を意識した資産運用、ハイブリッドDBの導入など多様化する年金制度、昨今クローアズアップされている企業や年金のガバナンス問題といった事象への対応でハンドリング能力が試されています。
本書では、これらの状況を整理し、実務経験豊富な企業年金担当者、コンサルタント、研究者が、各々の立場から課題とそのソリューションについて解説します。
年金資産運用研究会[ネンキンシサンウンヨウケンキュウカイ]
全国の企業年金の実務者が集まる任意団体「企業年金連絡協議会」(会員数630)の所属会員で構成されている研究会。資産運用、年金財政、年金給付、受託者責任など企業年金に関わる諸問題を研究し、意見、要望、改善策を発信している。
内容説明
未曾有の低金利時代に求められる資産運用とは。国内債券を軸とした従来型ポートフォリオは限界を迎え、新しい運用モデルの構築が求められている。年金基金、運用会社、コンサルなどのプレイヤーはマイナス金利の衝撃をいかに乗り越えるのか金融・証券市場の最先端の動きを追う。
目次
第1章 年金制度による取り組みの違い―企業年金と公的年金
第2章 多様化進む企業年金制度―新しいハイブリッド型の導入で選択肢拡大
第3章 マイナス金利の導入と年金資産運用の再考
第4章 マイナス金利環境下の年金基金の取り組み―年金運用の現状認識と未来予想図
第5章 運用会社が考えるマイナス金利下の投資戦略とリスク管理
第6章 株式運用の効率化―ファクター投資
第7章 確定拠出年金の新たなステージ―マイナス金利下において確定拠出年金を活用する
第8章 高ROE時代を迎えての株式運用―メインストリートファンドへのESGファクターの統合
第9章 運用機関のスチュワードシップ責任―情報開示の視点から