集英社新書<br> 谷崎潤一郎 性慾と文学

個数:
電子版価格 ¥847
  • 電書あり

集英社新書
谷崎潤一郎 性慾と文学

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2024年03月19日 15時28分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087211306
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0290

出版社内容情報

谷崎文学の神髄
性と愛の交響

谷崎潤一郎は「無思想の作家」と称されていた。
階級闘争を標榜したプロレタリア文学が隆盛をきわめた時代も、戦時体制のもとに民族主義的な思潮が台頭した時代も、谷崎は魅惑的な女性の美しさを描くためだけに命をささげ作品を紡いだ。
誰しも政治、実業、学問などで身を立てることを願った、明治という立身出世の時代にあって、なぜ谷崎は社会の変革などよりも官能の充足の方がもっと大切だという人生観を抱くようになったのか。
谷崎研究の第一人者が、その人生と作品群を詳細に検証する。

【主な内容】
・〈神童〉谷崎潤一郎
・聖人願望
・アイデンティティクライシス
・クラフト・エビングからの影響
・マゾヒストの自覚
・谷崎文学の「永久機関」
・谷崎と浄土真宗
・性的欲望との苦闘
・義妹せいと小田原事件
・小田原事件から妻譲渡事件へ
・根津松子との出会い
・女性崇拝の精神谷崎の結婚観
・特異な性的趣向
・夫婦の性的和合
・松子との恋愛の深化
・去勢願望
・谷崎家のホームパーティ
・藝術かワイセツか

【目次】
I 作家の誕生
第一章 〈神童〉のゆくえ ─聖人願望と春の目覚め
第二章 〈性の解放〉へ向かって ─美的生活論からクラフト・エビングへ
第三章 〈永久機関〉の発明 ─『刺青』の基底にあるもの
第四章 痴愚礼讃の系譜─『痴人の愛』の方へ
II 文豪への道
第五章 ヴァイニンガー再読─「タイプ」の発見
第六章 恋愛と色情─妻譲渡事件から『盲目物語』へ
第七章 〈松の木影〉の下─『春琴抄』の到達
第八章 戦中から戦後へ─『源氏物語』現代語訳と『細雪』『少将滋幹の母』
おわりに
資料翻刻 草稿「恋愛と色情」(谷崎潤一郎)

【著者プロフィール】
千葉俊二(ちば しゅんじ)
1947年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程中退。早稲田大学教育学部教授を経て、早稲田大学名誉教授。専門は日本近代文学。
『文学のなかの科学 なぜ飛行機は「僕」の頭の上を通ったのか』『物語のモラル 谷崎潤一郎・寺田寅彦など』『物語の法則 岡本綺堂と谷崎潤一郎』『谷崎潤一郎の恋文 松子・重子姉妹との書簡集』など著書多数、決定版『谷崎潤一郎全集』(全26巻)の編集委員。



内容説明

谷崎潤一郎は「無思想の作家」と称されていた。階級闘争を標榜したプロレタリア文学が隆盛をきわめた時代も、戦時体制のもとに民族主義的な思潮が台頭した時代も、谷崎は魅惑的な女性の美しさを描くためだけに命をささげ作品を紡いだ。誰しも政治、実業、学問などで身を立てることを願った、明治という立身出世の時代にあって、なぜ谷崎は社会の変革などよりも官能の充足の方がもっと大切だという人生観を抱くようになったのか。谷崎研究の第一人者が、その人生と作品群を詳細に検証する。

目次

1 作家の誕生(“神童”のゆくえ―聖人願望と春の目覚め;“性の解放”へ向かって―美的生活論からクラフト・エビングへ;“永久機関”の発明―『刺青』の基底にあるもの;痴愚礼讃の系譜―『痴人の愛』の方へ)
2 文豪への道(ヴァイニンガー再読―「タイプ」の発見;恋愛と色情―妻譲渡事件から『盲目物語』へ;“松の木影”の下―『春琴抄』の到達;戦中から戦後へ―『源氏物語』現代語訳と『細雪』『少将滋幹の母』)
資料翻刻 草稿「恋愛と色情」(谷崎潤一郎)

著者等紹介

千葉俊二[チバシュンジ]
1947年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程中退。早稲田大学教育学部教授を経て、早稲田大学名誉教授。専門は日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

66
谷崎潤一郎の作品というとマゾヒズムとフェティシズムと切り離しては考えられないと思う。本書は谷崎の生涯と作品の変遷を、性を通じて読み解いた一冊。彼が読んだ心理学者の説クラフト・エビングやヴァイニンガーの説が丹念に説明されており、それが如何に彼の作品に影響を与えたかという部分が面白い。そういえば大正時代の心理学って変態性欲等が前面に出ていた印象があるな。結婚生活や関西への移住が作品に与えた影響も記しているが、自分はやはり処女作後の諸編の絢爛たる短編が隙かなあ。「少年」を読んだ時の衝撃は今も忘れられないし。2021/03/25

陰翳rising sun

10
谷崎の生涯を「性欲」で読み解く。氏の作品を読むたびに、性描写の的確さが気になっていた。この本によると、友人の杉田氏から精神病の著書について紹介されたとある。これにより学術的に正しく異常性癖を表したようだ。そして関西移住からの作風の変化について「個」から「類」へとある。谷崎の描く女性が、特定の個人から観念の永遠の女性へと変わった。春琴抄では、佐助が自ら視力を失うことで観念の世界にいる春琴と生きながらにして心まで結ばれる。目に見える世界を解脱して、永遠不変の官能へ。放置プレイで想像を膨らませるのと似ている。2020/09/20

午睡

8
これまで未発見・未収録だった書簡や作品が収められた決定版谷崎潤一郎全集の編集委員でもある筆者ならではの谷崎論。さすがに教えられるところが多い。谷崎潤一郎がマゾヒストであることは彼の読者なら容易に感得できることであるが、作家であり医師であった木下杢太郎にカストラチオン( 去勢)を懇願するほどのレベルであったことはあまり知られていないのではないか。 非常に面白いことを認めたうえで、ないものねだりを二つ。読みながらずっと序論を読んでいる気がした。本論、つまりクライマックスに欠ける。江戸川乱歩との隣接も読みたし。2021/01/07

Gen Kato

5
谷崎文学はおもしろい。でも今一つピンと来ない。長いことそう思ってきたのだけど、このごろちょっと考えが変わって来た。「マゾヒストは、実際に女の奴隷になるのではなく、さう見えるのを喜ぶのである」という「利己主義者」の谷崎文学。再読してみようと改めて思う。構想のみで書かれなかった「龕」(「立川流の僧、マゾヒスト或ひはオナニスト」「関係したあとで又その記憶でオナニをし、それが真の恋愛、且仏道の奥義なりとする」)って、読んでみたかったな(完全にどうかしてるけど!)2021/08/21

mordidaman

3
最近気になりだした谷崎潤一郎、ミステリ風の作品しか読んでなかったですが、ふとどんな作家だったのか知りたくなり本書を読みました。 文豪と呼ばれる人だけど、代表作は読んだことはなかったですが、この本を読んで興味が湧いたのは、作品よりも作者本人。谷崎について描かれたもの、色々読みたくなりました。2023/03/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16345607
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。