内容説明
企業間分業による効率化から、研究開発によるプロダクト・イノベーションへの競争優位要因のシフトを実証分析。「ものづくり大国」の苦境を浮き彫りにする注目の研究。
目次
ものづくり大国の黄昏
競争力基盤と国際分業
分業システム転換と国際競争力
分業システム転換と世界不況
日本産業の競争力要因分析
国際競争環境の変化と海外投資
競争力基盤の国際移転性
研究開発投資と知的生産性の成長
起業選択とベンチャーのリスク耐性
大企業と中小企業との知的連携
中小企業の共同技術開発
21世紀の知的競争力基盤
下請システムの源流
下請システムの継承と展開
パワーと信頼形成による分業システム進化
著者等紹介
港徹雄[ミナトテツオ]
1945年9月生まれ。青山学院大学国際政治経済学部国際経済学科教授(国際産業論等担当)。日本学術振興会産業構造・中小企業第118委員会委員長。日本中小企業学会理事・元会長(2001年9月~2004年10月)。日本ベンチャー学会元理事(1997年11月~2009年12月)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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koji
1
表題は、国際分業システムの大転換(仮)ではなく、日本のものづくり/競争力基盤の変遷。ピオリ、セーブルに倣って、産業分水嶺を三つに分け、日本の輸出競争力の絶頂期である「第二の産業分水嶺」で産業の国際競争力を規定したのは、企業間分業システムの効率性であったが、3D・ICT革新の時代である「第三の産業分水嶺」の競争優位の源泉は巨額の研究開発投資によって実現されるプロダクト・イノベーションであるというのが本書の核心で、その他に下請けシステムの歴史に2割割いています。示唆に富む分析で有用な理論書に仕上がっています。2011/10/24
晴耕雨読
0
製造業の下請けに関しての論考はイマイチであったが、研究開発投資効率や製品/製造ラインのイノベーションなど、章によっては非常に役に立った。知的財産保護の重要性も今後益々高まってくるだろう。2012/06/03