出版社内容情報
円ドルレートは貿易不均衡是正の道具となり、日米通商交渉の過程で円高誘導が図られてきた。本書はファンダメンタルズに基づかない為替レートが及ぼす経済不安定化の悪影響を政治経済学的に分析、政策協調を提言する。
内容説明
“外圧”が歪めた円と日本経済。「為替調整により貿易不均衡は是正できる」という誤った経済理論。それに基づく通商圧力が無用の円高を生み、バブルをはじめ日本経済を混乱に陥れた―。通商摩擦が景気循環、金融メカニズムに与えた影響を理論・実証の両面から解明した注目の研究。
目次
第1章 序―円高シンドローム
第2章 日米経済摩擦の政策的原因
第3章 為替変動の帰結
第4章 国際競争力の長期調整
第5章 トランスファー問題とマクロ不安定
第6章 為替レートと貿易収支の理論
第7章 為替レートと日米貿易収支
第8章 インフレの持続性と長期金利の不安定
第9章 デフレーションと購買力平価
第10章 円高シンドローム克服のために
第11章 円高シンドロームは終わったか?