美の猟犬―安宅コレクション余聞

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532124137
  • NDC分類 704
  • Cコード C0070

内容説明

不世出のコレクター安宅英一の収集に賭けるすさまじい執念。その緊迫した現場と、並外れたパーソナリティーを、側近として仕えた大阪市立東洋陶磁美術館館長が余すところなく語り盡くす、人生論的美術品収集論。

目次

1 美の猟犬(美の猟犬;コレクションの誕生 ほか)
2 「美の求道者―安宅英一の眼」展
3 「安宅英一を語る」―インタヴュー(安宅コレクションの形成について;安宅コレクションを支えた人々 ほか)
4 陶然自楽(やきものの評価;景徳鎮の昼下がり ほか)
5 風塵往来(ピンキリ;『死者の書』 ほか)

著者等紹介

伊藤郁太郎[イトウイクタロウ]
1931年、大阪市生まれ。東北大学文学部美学美術史学科卒業後、安宅産業株式会社に入社。安宅英一氏のもとで安宅コレクションの収集に携わる。美術品室長。1977年、伊藤忠商事株式会社との合併に伴い退社。1982年、大阪市立東洋陶磁美術館設立とともに館長に就任し、現在に至る。東洋陶磁学会常任委員長、民族芸術学会評議員など。1986年、東洋陶磁の研究業績により、第七回小山冨士夫記念賞受賞。1995年、韓国陶磁普及への貢献により、韓国政府より文化勲章を授与される。2003年、東洋陶磁の研究業績により、文化庁長官表彰を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tom

12
この本は面白い。俗っぽいけど「なんでも鑑定団」を見ているような気分になってしまう。本気のコレクターの世界をかいま見せてくれて、とても興味深い。中心人物である安宅英一という人は、いったいどんな人だったのだろうと、精神医学的な憶測まで始めてしまいそう。ついでに「安宅産業」の崩壊は、高級陶磁器の収集が原因と勝手に思っていたのですけど、そういうこととは全く無関係ということを始めて知った。転変の末、安宅コレクションは、大阪市立東洋陶磁美術館で見ることができるのだけど、この美術館は、本当にお勧めです。2012/05/26

R

7
安宅コレクションの蒐集に色濃く関わった伊藤郁太郎氏の当時を回想する内容をふくめたエッセーでした。安宅英一氏のコレクション蒐集にかける恐ろしい部分と、そこへの真摯さというものが描かれていて、収集家という生き方の一つが見えるようで面白かったです。個人的に、定窯白磁の名品「洗」を手に入れるくだりなどは、その執念や手法が小説のようで面白く読めました。手放す際「コレクションは誰がもっていても一緒でしょう」という台詞には、目が啓きました。2012/04/02

speaklow

7
名品を眺めるのは好きだけれど、所有したいとは全く思わないので、とても興味深く読んだ。ただ、この本における「コレクション」っていうのは、「ひとつの美意識を名品の集合体で表現する」、という類いの意味で、そういう意味では確かに安宅英一氏の言う通り、集まってしまえば「誰が持っていても同じ」なのだろう。そして世の中には全く違う意味の「コレクション」もあるだろう。2011/07/01

PINGU

6
安宅コレクションで有名な安宅英一氏について、伊藤郁太郎氏が回想録として上梓された本である。現在は絶版になっているので、Amazonを利用して中古本を購入した。大阪市立東洋陶磁美術館に行かねばと思う。2019/06/15

yuzuriha satoshi

6
NHK『日曜美術館』に安宅コレクションの名品とともに筆者が出演している回を観て読んでみることにする 1コレクターのなかに潜んでいる魔性 安宅栄一という人物の一端を見ることができた……気がする 筆者のいうようにモノを前にしてその人物像を考えてみたい といいながら実際に美術館に行けばモノにとらえられて集めた人のことなどどうでもよくなるのだろうな 2012/08/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/689634
  • ご注意事項

最近チェックした商品