出版社内容情報
人工的に起こる核融合反応は、地道な研究努力の結果、プラズマ工学に関する技術開発の進歩によって、核融合炉実現の可能性が現実的視野に入ってきた。本書はこれまでに開発された技術をまとめ、実用炉を目指した場合の技術レベルと実現の可能性を具体的に示す書である。
内容説明
本書は、炉工学に関する技術の最前線を紹介することが中心テーマである。すなわちプラズマを閉じ込める技術、プラズマを維持・制御する技術、熱そして電気を取り出す技術、燃料を製造する技術、さらに必要な周辺技術および安全性にかかわる技術について、これまでに開発した核融合炉に特有な高度技術をまとめ、さらに実用炉を目指した場合の現状の技術レベルと今後の見通しなどを含めて解説し、その実現の可能性を具体的に示した。
目次
第1部 核融合炉の誕生(人類の進歩とエネルギー―エネルギーは人類の生存と繁栄にとって必須要素;太陽で起きている核融合と地球で目指す核融合―太陽の核融合反応は地上で実現できるか?;核融合炉が成立する条件―トカマクの発明とエネルギー増倍率向上の鍵を求めて;実現に最も近いトカマク型核融合炉―核融合炉工学に対する要求 ほか)
第2部 核融合炉を支える技術(プラズマを閉じ込め磁場を作る超伝導コイル;高純度プラズマを保持する真空容器;プラズマを超高温にする加熱・電流駆動装置;超高温プラズマ状態を見て操る計測・制御システム ほか)
著者等紹介
関昌弘[セキマサヒロ]
1969年東京大学工学部原子力工学科卒、工学博士。専門は熱工学、耐熱材料工学。現在、那珂研究所核融合工学部長
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