内容説明
冷戦後のアメリカに対峙した気鋭の研究者たちが洞察する多様な「物語」がゆらめき、ざわめき、誘惑する。アメリカ文学探究のために必携の本!!本書はアメリカン・ナラティブとともにアメリカ的意識がどのように形成されたかを、文学史と文化史の相互駆引に留意しながら記述し、冷戦解消以降にありうべきもうひとつのアメリカ文学史を模索するという目的のもとに企画された。アメリカン・ナラティヴの諸局面を「植民地主義」「性‐政治学」「ジャンル進化論」「多元文化主義」の四つの視点に分断し、その意識史の複合性自体を強調する方策を選んでいる。
目次
序章 アメリカン・ナラティヴの独立革命
1 女装する牧師
2 利用可能な歴史
3 仕掛けられた意識の檻穽
4 祖母の物語
5 感電するテクスト
6 「強制的異性愛とレズビアン存在」
7 疾駆には無頓着な小石
8 帝王たちの脚本
9 短篇小説の独立宣言
10 二人の女性の新・奴隷体験記
11 ヴァージニアへの帰還
12 再循環する民族離散物語
13 「日本男子」売ります!