内容説明
本書は平成13年、14年の商法改正および平成17年の新会社法によって大きく変わったコーポレートガバナンスに関する詳細な解説書である。前2回の改正によって、従来の統治形態を維持しつつ監査役の独立性と権限を強化した「監査役設置会社」と米国企業統治を範とした「委員会設置会社」が導入された。そして、平成17年の新会社法においても、機関設計に関する定款自治の考えが取り入れられたとはいえ、この基本的な構図は変わったわけではない。今後のわが国の企業は、この二つの企業統治形態の選択を迫られることになる。本書では、今後のコーポレートガバナンスのあり方の全体像が見えるように、二つの統治形態の理論面・実務面を含めた多角的・総合的な対比を試みると同時に、「監査役設置会社」の亜種である「重要財産委員会設置会社」と特別取締役による取締役会や社外取締役、さらには株主代表訴訟制度の改正や取締役の責任軽減をも視野に入れて幅広い検討を行った。
目次
第1章 コーポレート・ガバナンスのあり方
第2章 従来型の監査役設置会社と米国型の委員会設置会社の比較と選択
第3章 社外取締役・重要財産委員会設置会社および特別取締役による取締役会
第4章 委員会設置会社
第5章 取締役の責任軽減と従来型の監査役の権限と独立性の強化
第6章 株主代表訴訟をめぐる近時の新動向
著者等紹介
小林秀之[コバヤシヒデユキ]
石川県生まれ。東京大学法学部卒業。一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。専攻、民事訴訟法・国際民事訴訟法・製造物責任法
和仁亮裕[ワニアキヒロ]
京都府生まれ。コロンビア大学ロースクール修士課程修了(LL.M.)。現在、弁護士。ニューヨーク州弁護士。外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ、一橋大学大学院国際企業戦略研究科非常勤講師
田中成志[タナカシゲシ]
東京都生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科修士(民法)。現在、弁護士。青木・関根・田中法律事務所
橋長廉人[ハシナガヤスト]
兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。2000年デューク大学ロースクール修士課程修了(LL.M.)。現在、弁護士。ニューヨーク州弁護士。外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ
永井真美子[ナガイマミコ]
東京都生まれ。京都大学法学部卒業。現在、弁護士。外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。