内容説明
世界から貧困をなくし、持続可能な地球社会を実現する新しいビジネスに挑戦していくこと―この実現には、これまでの垣根を越えた「パートナーシップ」が不可欠となる。それによって、従来まったく考えつくことのなかった「イノベーション」を起こしていくのだ。本書は、日本企業はBOPビジネスに決して遅れておらず、むしろ強みをもっていることを明らかにしていく。また、途上国の開発プロジェクトの現場でも、官民の連携が始まっていることを紹介する。
目次
1 BOPの基本理解―今までのビジネスとは何が違うのか(なぜいま、BOPビジネスなのか;開発からBOPビジネスをみる;BOPビジネスが組織を変える)
2 BOPビジネスのケース―パートナーシップをいかに作るか(すでに挑戦してきた日本の企業;新たに挑戦を始めた日本の企業;開発プロジェクトをBOPビジネスにつなげる)
著者等紹介
菅原秀幸[スガワラヒデユキ]
北海学園大学経営学部教授
大野泉[オオノイズミ]
政策研究大学院大学、国際開発戦略研究センター教授
槌屋詩野[ツチヤシノ]
株式会社日本総合研究所ヨーロッパ研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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taming_sfc
1
政治学、経済学、経営学と異なるディシプリンの筆者たちがBoPについて書いているので、大変参考になる一冊。日本語で講義するなら、教科書にしたいレベル感。2018/02/02
壱萬参仟縁
1
評者は、BOPを約3年前にNGOとJICAの定期協議会で配布されたレジュメで初めて知った人間だが、ソーシャル・ビジネスという意味でならM.ユヌスのグラミン銀行を発端として広がった小規模金融制度が重要と思われる。テレビのガイアの夜明けであったか、見たような記憶がある、日本ポリグル㈱の水質浄化剤の事例は、日本の技術移転として非常に重要な意義があると評者は直感した(129ページ~)。 BOPの成功のカギは、経営トップの使命感、好奇心、行動力にあるという(135ページ)。社会貢献の色彩が濃いBOPに注目したい。2012/09/17
天然ゆるゆるパーマ
1
個人的にはプラハラードの『ネクストマーケット』がBOPビジネスの必読書やと思ってるけど、BOPビジネスに関心持ってすぐの人はこっちをお勧めします!読みやすいし、わかりやすい。それに現在のBOPビジネスを取り巻く環境を俯瞰的に知ることができます。内容的には入門編ということもあって、目新しいものはなかったかな。菅原先生の論文とかBOPビジネスのセミナーであった話が多かった。ただ、3.11移行の日本企業のありかたをBOPビジネスから論じた点や、「機会が得られない人々」をBOP層の本質とした点は今後深めていきたい2011/12/03
iz
0
BOPビジネスとは何か?日本企業に可能性はあるのか?それらが具体例に多様し分かり易く書かれている。日本の例が中心であり、中小企業のものも書かれている点がいい。2017/11/12
ぬーまん
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大変勉強になりました。2017/11/09