出版社内容情報
フォロワーはリーダーにだけ従うのではない。身を置く環境や倫理観他様々な要因が動機となっていることを、文化・哲学・宗教・生物学等から多面的に捉え、その概念を探った。
内容説明
本書の目的は、独自のフォロワーシップ行動論を提唱することにある。これまで、主に欧米においてフォロワーシップ論が論じられてきたものの、それは行動論ではなかった。こうした意味において、本書はフォロワーシップ行動に注目する最初の書籍になるかもしれない。本書において、フォロワーシップ行動とは、フォロワーが有する従我と観我と呼ばれる自我システム間の相互作用から生じるプロセスを意味している。認知神経科学における、システム1とシステム2を、行動レベルに拡張したと考えてみてほしい。本書の意義は、この従我と観我を、フォロワーシップ行動を生じさせる重要な心理的機制として位置づけたことにある。そして、フォロワーシップ行動が従う対象として「こと・ば」に注目し、それを概念化したことも、挑戦的意義として挙げることができよう。依然として未熟な議論ではあるものの、人間行動について考える一つの契機となればと思っている。
目次
序章 脱・リーダーシップ
第1章 労働組織におけるリーダーシップの困難
第2章 これまでのフォロワーシップ研究
第3章 日本的フォロワーシップの3次元モデル
第4章 観従理論:フォロワーシップ行動のための枠組
第5章 フォロワーとは何か
第6章 フォロワーシップ開発
終章 フォロワーシップの時代
著者等紹介
松山一紀[マツヤマカズキ]
1966年奈良県生まれ。2020年同志社大学社会学部産業関係学科教授。専門、組織行動論、戦略的人的資源管理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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