内容説明
不確実性と管理会計との関係について分析することを基本として、不確実性の具体的な形態としてのリスクを取り出し、機会に対応させて総合的に管理し、さらに戦略的(持続的成長と競争との)バランスを確保するためにスラック(内部留保;資金的余裕)との関係で考察し、現代管理会計の諸課題と展望を分析する。これは、厳しい不確実性下でのリスク・スラック・バランスに向かっての管理会計の挑戦である。本書の問題は、包括的機会・逸失機会統制(COLC)モデルを展開し、財務公開の内実を強化するための会計責任と管理責任の具体的な意味内容を検討することにあり、著者の40年にわたる研究の集大成である。
目次
不確実性下の管理会計の基本問題
企業統治と管理会計―フィードフォワード統制の視点から
価値基底的な管理と会計の概念的分析―日本の実践を参考にして
不確実性下の機会及び利益
利益機会、戦略イノベーション、管理会計
戦略的管理会計とフィードフォワード管理―利益機会とリスクの統合管理に関連して
原価企画の環境配慮型原価企画への変容―いっそうの発展への可能性と問題
包括的機会・逸失機会統制(COLC)モデルと企業リスク管理
COLCモデルにおける外国為替リスクと利益改善
スラック概念とCOLCモデル
利益企画における環境、リスク、機能及び原価の総合化
著者等紹介
西村明[ニシムラアキラ]
別府大学客員教授。九州大学名誉教授。経済学博士。1961年神戸商科大学商経学部卒業。1966年京都大学経済学研究科博士課程修了。大阪経済大学講師を経て、1971年九州大学経済学部助教授、教授。その後、2001年九州産業大学教授を経て、2006年より別府大学教授、学長(~2010年)、2013年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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