ビギナーズ物理―理工系を学びはじめる人のために

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ビギナーズ物理―理工系を学びはじめる人のために

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  • サイズ A5判/ページ数 173p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784501617004
  • NDC分類 420
  • Cコード C3042

出版社内容情報

 理工系の大学で「物理学」は必修科目である。高校で「物理」は難しい、と言う教師がいて、物理をとらないで大学へやってきた学生は本当に気の毒だと思う。高校がイメージしている受験物理はたしかに難しい。難しいという高校教師自身、物理で受験したらどこの大学にも入れないのじゃないかな。
 受験物理の問題の解き方はあくまでも受験物理の問題解法であって、物理的な考え方というもっとも大切なものとはほとんど関係ない。受験物理は難しい、しかし、物理学は楽しいものだ。受験物理がまったく不得意でも結構。大学物理は身のまわりで起きているものごとを理工系学生として理解するための捉え方を勉強する学問だから、今からその勉強がはじまると思えばいい。それにはまず、楽に物理を考えるための道具「言葉と記号」およびその使い方に慣れてもらわなくちゃならない。
 君たちは歌を歌うだろう。カラオケにも行くし。歌では男女のあいだの特別な気持の動きを、誰と誰の間の問題かということを無視して「ラブ」と言ってしまうだろう。難しい運指のいる楽器だって見よう見まねでこなしてしまう。物理学の言葉や記号だって「ラブ」とおなじ調子のものだし、記号の使い方だって楽器の弾き方のようなものさ。慣れればいい。いや、きみたちが理工系の大学で学び、将来はエンジニアになる以上、慣れなくてはならないものだと思ってほしい。
 とはいっても半年、一学期で週一回、およそ12回の講義の物理学は、エンジニアの道具となる物理学を学ぶには短かすぎる。この「ビギナーズ物理」では、物理学をつまみ食いしながら物理学の考え方が学べるような話題を扱っている。
 物理学が、理工系の考え方の対象である現象やものごとを、どのように整理して理解しているのか、一通り体験することができるはずだ。紙の上で筆記用具を動かしながら勉強してもらいたいんだ。そのことを思い出してほしいので「書く、とにかく書いてみる」というテーマのカットをいっぱい入れておいた。そしたら、きっと「わかった」といいたくなるに違いないから「わかった」というテーマのカットも入れてある。
 この「ビギナーズ物理」と平行して、または引き続いて系統的な「物理学概論」や「力学」、「電磁気学」、「熱力学」あるいは「電子物性」や「プラズマ物理学」などを学ぶことになるはずだが、その理解のためにもこの「ビギナーズ物理」が目論んだ「物理的な考え方、道具の使い方」は有効なはずである。
 いずれにしても、大学には大学の勉強のやりかたというものがある。それは、とにもかくにも勉強する、それも自分で勉強するということなんだ。アルバイトをしてそのお金で遊ぶことじゃない。とにかく大学は勉強するところだ。
 ということで、この本では
1 高校物理でも学んでいるはず、ということを確認するために、またこの本が小冊子であるために取り入れきれなかったことの自習のために、高校物理での関連キーワードをリストにしてある。高校物理の教科書でも大学生用教科書でもなんでもいいと思う。当たって知識の再構築をしてほしい。
2 「ビギナーズ物理」と同じような目的で書かれている、教科書ではない、解説書がたくさんある。読書の対象としてほしいのでこの本の終わりにリストアップしておいた。
3 物理学の講義に使われる本格的な物理学の教科書もリストしておこうと思ったけど、これは副読本として読むような性質のもではないし、第一、講義をなさる先生が決めるもの一冊あればもうたくさんという心情のものだろうと思ってやめておいた。でもね、高校で物理の教科書を使っていたのならそれを大事にして読み返すことを薦めたい。

はじめに
この本の勉強の仕方
この本の使い方

Stage1 変化の表現と数学を使う表現
物理学的に考えを進めるステップ
 高校物理あるいは受験物理の自由落下
 微分積分の復習から微分方程式へ
 力:ニュートンの第二運動方程式
 単振動
 斜方投射
Stage2 質点を巡る物理学
遠投の物理学
 運動の自由度
 おおよその大きさをつかむ
 近似計算に慣れよう
 運動エネルギーとエネルギー保存の法則
 ポテンシャルと力
 偏微分
Stage3 巨大な数をめぐる物理学
三角関係から多体問題へ
 連立方程式を解く
 作用反作用の法則(ニュートンの運動法則第三)
 運動量と運動量保存の法則
 力積
 圧力
 粒子の速度分布と統計物理学
 温度とは何か
 ボイル・シャールの法則
 圧力の単位
Stage4 さからうことに関する物理
雨の終端速度
 電界の中の電子の運動
 ドリフト速度
 銅はどうなっている
 自由電子に働く力
 電気抵抗または抵抗率

内容説明

本書では、物理学をつまみ食いしながら物理学の考え方が学べるような話題を扱っている。物理学が、理工系の考え方の対象である現象やものごとを、どのように整理して理解しているのか、一通り体験することができる。紙の上で筆記用具を動かしながら勉強してもらいたいということを思い出してほしいので「書く、とにかく書いてみる」というテーマのカットをいっぱい入れた。「わかった」というテーマのカットも入れてある。

目次

1 変化の表現と数学を使う表現
2 質点を巡る物理学
3 巨大な数をめぐる物理学
4 逆らうことに関する物理
5 力の物理学
6 波をめぐる物理学
7 原子の世界を理解するための物理学
8 電荷と磁荷の物理学
9 電流と磁界の物理学
10 熱力学