出版社内容情報
1970年頃から,専門学校の一部で始まった情報教育も,情報化社会の進展とともに,ますます普及してきた。1992年に改訂された中学校の学習指導要領では,技術家庭科に「情報基礎」という教科が設けられ,高等学校の普通科でも数学の中で情報についての学習が取り入れられるようになった。2003年から実施される新学習指導要領では,高等学校の普通科に「情報A」「情報B」「情報C」という教科が新設され,情報教育が一層進むことと思う。
高等学校の普通科における教科「情報」では,実習が重視される。筆者は,多年にわたり専門高校生の情報実習および教職員の情報研修指導を行ってきた経験を生かして,情報実習の副教材として本書を執筆した。情報教育では,アプリケーションソフトの利用,インターネット,プログラミングが中心となろう。この中から,本書では,アプリケーションソフトの利用を取り上げた。
アプリケーションソフトの中で,最もよく使われるソフトは文書作成に使われるワープロソフトと各種の集計計算,住所録の作成などに使われる表計算ソフトであろう。本書はワープロソフトとして非常によく使用されている「Microsoft Word 2000 for Windows」(Wordと略す)と表計算ソフトとして最もシェアの高い「Microsoft Excel 2000 for Windows」(Excelと略す)を取り上げた。
WordとExcelはWindows上で動作するアプリケーションソフト郡「Microsoft Office 2000」を構成するソフトの一部である。したがって,他のデータベース,プレゼンテーションなどのソフトとの密接な連携が可能となる。さらに,ワープロソフトの一太郎や表計算ソフトのLotus1-2-3などとの連携もできる。
また,WordとExcelの使い方をマスターするだけでも,文章作成,表計算,データベースの検索,グラフや図形の作成など日常必要とするデータ処理のほとんどができるようになる。
WordとExcelは,バージョンアップを重ねるごとに多くの便利な機能が次々と加えられ使いやすくなってきた。限られた授業時間の中で,これらの機能のすべてを学習するするのは,困難であり,またその必要もない。本書では,ぜひ必要な項目を精選した。これだけ学習しておけば,日常のデータ処理において困ることはほとんどないと思う。本書では,よく使う事項,比較的やさしい事項から順に学習できるよう配列したので,学習した範囲内でそれなりのデータ処理ができることと思う。早速,文書作成,クラブ会計の出納簿,名簿の作成などに活用していただきたい。また,学校を卒業し社会に出てからも直ちに役立つことと思う。
最後に,本書の執筆を勧めていただいた東京電機大学出版局編集課長の植村八潮さんおよびいろいろな助言をいただき編集の労をとっていただいた松崎真理さんに感謝の意を表したい。
1999年11月
著者記す
第1章 パソコンとOffice
1.1 パソコンの構成とマウスの操作
第2章 簡単な文書の作成
2.1 Wordの起動・画面の見方
(1)Wordの起動/(2)画面の見方/(3)Wordの終了/(4)Windowsの終了
2.2 ウィンドウの基本操作
(1)ウィンドウの最大化・最小化と復元/(2)ウィンドウのサイズの変更/(3)ウィンドウからはみ 出した部分を見る/(4)ウィンドウの移動
2.3 文字の入力と簡単な文書の作成・修正
(1)文字の入力/(2)連文節変換による文章の入力/(3)文書の修正
2.4 文書の保存・開く・印刷
(1)文書の保存/(2)文書を開く/(3)文書の印刷
章末問題 2
第3章 文字入力と編集
3.1 記号・第2水準漢字の入力
(1)読みによる記号入力/(2)文字と記号のメニューによる入力/(3)読み方のわからない文字 の入力
3.2 文字のサイズ・フォント・飾りの指定
(1)編集範囲の指定/(2)文字サイズ・フォント・スタイルの設定/(3)文字飾り
3.3 文字位置の指定
(1)右寄せ/(2)中央揃え/(3)均等割り付け
3.4 文のコピー・移動・削除
(1)文のコピー/(2)文の移動/(3)文の削除
3.5 表の作成
(1)表の作成/(2)表の形式の変更
章末問題 3
第4章 知っていると便利な機能
4.1 ページの設定と印刷
(1)ページ設定/(2)印刷
4.2 文書の管理
(1)文書の保存/(2)自動バックアップ/(3)文書ファイルの削除
4.3 単語の登録と使用法
(1)単語の登録/(2)単語登録の使い方
4.4 文字の置換
4.5 飾り文字の作成と変更
(1)飾り文字の作成/(2)飾り文字の変更
章末問題 4
第5章 簡単な計算表の作成
5.1 Excelの画面
5.2 簡単な計算表の作成
(1)データの入力・修正・消去/(2)計算/(3)計算表の保存・印刷・読み込み
5.3 簡単な関数計算とセルのコピー
(1)関数の使い方/(2)セルのコピー
5.4 計算表の形式を整える
章末問題 5
第6章 表作成のテクニック
6.1 データの入力
6.2 コピーと移動
(1)範囲の指定/(2)セルのコピー/(3)複数のセルへのコピー/(4)セルの移動
6.3 行と列の挿入と削除
(1)行と列の挿入/(2)行と列の削除
6.4 セルの絶対参照
6.5 行の高さ・列幅・セルの書式設定・罫線の変更
(1)行の高さの変更/(2)列幅の変更/(3)セル内の文字の位置指定/(4)罫線の変更
6.6 セルの結合と解除 6.7 関数の使い方
(1)関数の使い方/(2)データベース関数の使い方
6.8 印刷の設定
(1)ページと余白の設定/(2)ヘッダーとフッターの設定/(3)シートの設定
6.9 ブックの編集
(1)シートのコピー/(2)シート名の変更
6.10 ウィンドウの操作
(1)ウィンドウ枠の固定/(2)表示画面の拡大・縮小
章末問題 6
第7章 Excelの応用
7.1 並び替え
(1)データベースとは/(2)簡易型の並べ替え/(3)通常型の並べ替え
7.2 レコードの抽出
(1)オートフィルタによるレコードの抽出/(2)抽出の解除/(3)複合判断
7.3 グラフの作成
(1)棒グラフの作成/(2)グラフの編集
7.4 WordとExcelとのデータのやりとり
章末問題 7
索引
内容説明
本書では、ワープロソフトとして非常によく使用されている「Microsoft Word 2000 for Windows」と表計算ソフトとして最もシェアの高い「Microsoft Excel 2000 for Windows」を取り上げた。ぜひ必要な項目を精選し、日常のデータ処理において困ることはほとんどないよう、よく使う事項、比較的やさしい事項から順に学習できるように配列してある。
目次
第1章 パソコンとOffice
第2章 簡単な文書の作成
第3章 文字入力と編集
第4章 知っていると便利な機能
第5章 簡単な計算表の作成
第6章 表作成のテクニック
第7章 Excelの応用