内容説明
若き森鴎外のドイツでの観劇体験が後の日本の近代劇発展を決定づけた。鴎外の多様な文学活動を演劇の視座から新たに照射する。鴎外と近代劇について総合的に考察した初の研究書。
目次
1 近代劇との邂逅(鴎外の留学と演劇;演劇・音楽・文学;都市空間としてのライプツィヒ;演劇都市・ドレスデン;青春の都市・ミュンヒェン―仕事と作品;管理都市・ベルリン―もう一つの『舞姫』;『ミカド』から『ドン・カルロス』へ)
2 近代劇の創造(帰国後の鴎外と演劇;演劇雑誌「歌舞伎」;最初の創作劇『玉篋兩浦嶼』;鴎外の翻訳劇;劇の季節―文芸雑誌「スバル」の戯曲;「スバル」の時代―鴎外と平出修;「スバル」創刊と創作劇『プルムウラ』;対話劇『さへづり』―「椋鳥通信」から創作劇へ;鴎外の翻訳劇・創作劇上演年表)
3 ノラの変容(イプセン劇と「歌舞伎」;ノラたちの戯曲―「青鞜」「女子文壇」のノラ批評;日本のノラ―『人形の家』受容をめぐって;世界のノラ―「母性」からの解放;鴎外の女性論―二十一世紀への架け橋)
著者等紹介
金子幸代[カネコサチヨ]
埼玉県に生まれる。お茶の水女子大学大学院修士課程修了、一橋大学大学院博士後期課程満期退学。現在、富山大学人文学部教授。専攻は日本近代文学・比較文学。森鴎外研究、特にドイツ留学時代、および日独の女性解放運動との関係を研究。また、女性雑誌の研究や映画と文学の文化史的研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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