内容説明
本書には、中国における初飛行(1909年)から、新中国の成立(1949年)までの中国航空史が描かれている。多くの関係者と直接会って、資料を入手、信頼できる記録とした。
目次
黄土の空の夜明け
山東の空の嵐
軍閥の翼
零歳の空軍
上海の空は燃えた
杭州迎撃戦
天と地の内戦
新しい翼
真説八・一四の空戦
攻撃機の命日
天空からの爆撃
揺々 翅膀、大纏闘
風寒く、壮士還らず
薄幸の翼
中ソ連合航空隊
山谷の防空戦
著者等紹介
中山雅洋[ナカヤママサヒロ]
昭和11年生まれ。東京育ちだが、第二次大戦中は山梨県及び静岡県に疎開し、空襲にも遭った。本職は医師であるが、学生時代にグライダーを習ったのがきっかけで、航空に興味を持ち、米国航空史学会のLife member(No.147)になった。超軽量飛行機の免状を持ち、特殊飛行やcross country flightは米国で習った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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印度 洋一郎
2
旧版も愛読していたが、こうして再刊されたのはめでたい限り。中国における航空の起源から、中国大陸で行われた空戦や中国の空軍(中国空軍とは言えない部分もある)について、20世紀初頭から日中戦争緒戦時までを収録。日本側、中国側の記録を可能な限りつき合わせて、空戦の実像に迫ろうとする著者の努力に敬服する労作でもある。機種の選択にまつわる悲喜こもごも、軍閥同士の戦いにおける航空機の扱いなど、興味深い逸話ばかり。満州事変や日中戦争を中国の側から見るとこうなるという視点で、日本側の視点と合わせて読みたくなる。2014/05/10
兵衛介
2
これは値段以上の価値ある一冊。上巻は中国航空創設から日中戦争初期までの航空戦史。可能な限り日中双方の記録を対照しており、写真も豊富で文章も読みやすい。これまで、没個性的なやられ役くらいの認識しかなかった中国空軍への見方が改まりました。多種多様な輸入軍用機の変遷も楽しい。軍閥内戦時代の逸話も興味深かった。2009/03/28
ハヤブサの竜
0
中国側から見た戦争なのでかなり新鮮。ソ連が助けにきたり、シェノートが傭兵を呼んでるけど、中国軍パイロットの戦意と技量の高さは日本軍の脅威じゃろうな。しかし中国軍指揮系統のぐだぐだは……2014/05/04