内容説明
4号戦車は、主力戦車とされた3号戦車に対する支援戦車として、ドイツ陸軍の機甲化思想に基づいて大戦間に開発され、ポーランドか戦からフランス戦まで機甲兵力の一翼を担い電撃戦を成功に導いた。その後、最初の長砲身型4号F2が1942年初めにロシアで戦線投入され、ソ連軍のT‐34やKV‐1戦車に対抗できることが明らかになると、その役割は近接支援車両から主力戦車へと変わった。長砲身に加え装甲を強化して重量過大になった4号戦車は、H型でその発展の頂点に達したが、当時ティーガーは数的に少なく、パンターは配備後も初期トラブルがまだ完全には解消されていなかった。このため、4号戦車はその後もドイツ軍の主戦力であり続けねばならず、ソ連軍大攻勢、バルジの戦いまで、唯一大戦全期間を通して継続して戦闘に参加した戦車となった。本書は第二次大戦ドイツ陸軍戦車を代表する「軍馬」であった4号中戦車の開発と派生型、構造、編成と戦術、そして戦歴をまとめた一冊である。
目次
開発の歴史
特殊用途の車両
4号戦車の構造
編成と戦術
戦場の4号戦車
著者等紹介
ペレット,ブライアン[ペレット,ブライアン][Perrett,Bryan]
1934年生まれ。リヴァプール大学を卒業。王国機甲軍団、第17/21槍騎兵、ウエストミンスター竜騎兵、王国戦車連隊勤務。国防義勇軍勲章受賞。フォークランド紛争および湾岸戦争中リヴァプール・エコーの軍事特派員を努める。非常に成功した業績を収めた著述家。既婚でランカシャー在住
スミス,デイヴィッド・E.[スミス,デイヴィッドE.][Smith,David E.]
装甲車両に強い興味をもつミリタリーイラストレーター。英国オスプレイ社の出版物で数多くのイラストを描いている
ローリエ,ジム[ローリエ,ジム][Laurier,Jim]
1978年コネチカット州ピアース美術学校卒業。以来フリーのイラストレーターとして活躍。戦車、航空機、両分野の軍事的テーマに多大なる興味をもつ。アメリカ航空アーチスト協会、ニューヨークイラストレーター協会、アメリカ戦闘機エース協会会員
斎木伸生[サイキノブオ]
1960年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大学院法学研究科修士課程修了、博士課程修了。経済学士、法学修士。戦史や安全保障の問題に興味をもち、国際関係論を研究。研究上はフィンランド関係と、フィンランドの安全保障政策が専門。陸海空の軍事・兵器関係、特に戦車に精通。『PANZER』(アルゴノート社)、『丸』(潮書房)、『アマーモデリング』(大日本絵画)などの専門誌に多数寄稿
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