出版社内容情報
《内容》 初版以来，好評を博している書の全面改訂版．近年の分子生物学的手法の導入もふまえ，神経伝達物質の基本的理解から，各種神経機構や症候・疾患との関係，診断・治療における役割についてわかりやすく解説している．執筆には各分野の最前線で活躍する第一人者があたっており，現在何が解明されていて，何が問題であるかが的確に示されている．神経伝達物質研究を臨床への視点から集大成し，広く理解ができる書として，臨床医はもとより関連する基礎領域の方々にもおすすめする． 3版の序 神経伝達物質は分子として，生体の諸機能をコントロールすることは古くから知られている．それらの異常が病気と関係することから，神経伝達物質の研究が進められてきた．神経・精神疾患には当然のことながら，多分野で幅広く検討され，高血圧，消化管運動，疼痛などの全身的な疾患や症状を改善するために神経伝達物質を介する治療が日常的にそれとは知られずに行われてきた．しかし，神経の伝達を変化させることは，目標としている効果を発揮するだけではなく，思わぬ副作用を起こすことにも留意しなければならない．そのためには，神経疾患の診療や研究に携わる者は言うに及ばず，神経以外を専門とする医師，それにもまして研修医や学生諸君に利用して頂きたい書物である． 近年，分子生物学的手法が神経伝達物質の面にも導入され，目覚ましい進歩や領域の拡大がみられる．その飛躍のきっかけになったのは，故 沼 正作 教授のニコチン受容体の構造決定であろう．それを契機に，各種受容体，細胞内情報伝達や放出機構の詳細な機序が解き明かされた．これらは病気がどうして起こるか，症状がいかに発現するか，患者の苦痛を和らげるにはどうすればよいかという問題の解決にヒントを与えてくれる． 本書では最初に，神経伝達物質の基本的な知識を最新の情報を組み込んで，分かりやすく紹介している．神経伝達物質がどうしたもので，いかに作用するかが述べられており，受容体とG蛋白の関係，トランスポーター，伝達物質放出に関与する蛋白質についての最新の知見が盛り込まれている． 神経伝達物質が生体でどんな働きをするかについては次の章で詳しく紹介されている．狭い意味での神経機能である視覚，知能，感情，睡眠などのほか，消化管，循環器，内分泌，免疫，分化といった広範な機能にも神経伝達物質が関与していることを指摘したい．高齢者の薬物副作用を予測する上で重要と考えるからである．今後，多くの病気の分子生物学的機序を解明し，その治療の礎に少しでも本書が役立てれば幸いに思う． 近い将来，Alzheimer病などの老年者神経疾患が大きな問題になることは多くの人に認識されている．その解決に向けて，神経伝達物質の知識を有効に利用することは社会施策の面でも大切なキーとなるだろう．神経伝達物質を動かすことによって，病気の治療や予防を効率良く行うことは医学・医療に課せられた宿題と考えられる． 本書は初版，第2版が好評であったため，新しく第3版を最前線で活躍されておられる御多忙な先生方にご執筆をお願いし，このような書物として完成することが出来た．これも一重に御執筆の先生方および中外医学社編集部の方々のご協力の賜と考え，厚くお礼申し上げます． 1998年3月 中村重信 初版の序 神経伝達物質という考えが出されてから40年ほどになるが，最近の神経科学のめざましい進歩によって，その領域や深さが大きく広がってきた．本書ではこのような最新の（update）知見をその道の専門の先生方にできるだけわかりやすく紹介して頂いた． 神経伝達物質は古典的な神経伝達物質のほかに神経機能修飾物質も含むようになり，その数は百にも及ぼうとしている．ただ，数は多くなっても神経伝達物質が作用する場やその機序は整理され，統一的な基本的なしくみに従ってかえって理解が容易になった． ことに，受容体や受容体に引き続いて作用する細胞内情報伝達系についての分子機構が明らかになってきた．そのため，神経刺激が伝播する機序が正確に把握でき，神経刺激の調節がさらに多方面からアプローチすることも可能になった．さらに，分子軌道法による計算など新しい検討も進められている．新しい技術を駆使したアプローチにより薬物の作用機序なども一層正確に予知できるようになるであろう． 人口の高齢化などにより神経，精神疾患が社会に及ぼす負担が大きくなっている．これらの疾患の症状発現に神経伝達機構の異常がどのように関わっているかを知ることは治療を進めるに際して大切なポイントである．また，神経，精神疾患のみではなく，循環器疾患や消化器疾患に対しても神経伝達機構を調節する治療薬が用いられている． 神経伝達物質により疾患の治療を行なうに際して，ほとんどの場合全身への投与という形をとる．多くの疾患で神経伝達機構の異常はある部位あるいは神経網に限局している．そのため，治療薬が異常のある部位以外にも作用して副作用を示すことも稀ではない．今後，前駆体，類縁体以外の新しい物質も神経伝達機構を介する治療薬として登場するであろう．それらの開発，使用をめぐっても本書が何かの役に立てば幸いと考える．さらに，本書は1991年段階の知見であり，新しく改訂を迫られる日が近いであろう． 本書の刊行に際して中外医学社荻野邦義氏ほかの皆様の御厚情に感謝する． 1991年7月 中村重信 《目次》 目 次 略語一覧 xiii I．神経伝達物質の基礎 1．神経伝達物質とは ＜野村靖幸＞ 1 A．神経伝達物質に関する初期の研究 1 B．神経伝達物質の定義 2 1．神経終末部での存在 2 2．神経刺激に伴う放出 2 3．シナプス作用の同定 2 4．神経伝達物質と神経機能修飾物質 3 C．神経伝達物質の種類とその酵素的生合成 3 D．神経伝達物質のシナプスでの動態 5 E．神経伝達物質の存在部位・機構・病態と関連薬物 7 2．神経伝達物質受容体とは ＜大熊誠太郎，桂 昌司＞ 9 A．G蛋白質共軛型受容体 9 1．G蛋白質共軛型受容体の分子構造 9 2．G蛋白質共軛型受容体とG蛋白質との共軛による細胞内情報伝達系に対する作用 11 B．イオンチャネル内蔵型受容体 13 1．イオンチャネル内蔵型受容体の分子構造の概要 14 2．イオンチャネル内蔵型受容体の機能 15 3．細胞内情報伝達機構-神経細胞における低分子量GTP結合蛋白質の活性制御機構と機能 ＜檜井孝夫，岸田昭世，菊池 章＞ 18 A．低分子量G蛋白質の構造と活性制御機構 19 1．低分子量G蛋白質の分類 19 2．低分子量G蛋白質の構造 20 3．低分子量G蛋白質の活性制御機構 20 4．低分子量G蛋白質の標的蛋白質 21 B．低分子量G蛋白質の機能 21 1．Rasと細胞の分化・増殖 21 2．Rhoと細胞運動 24 3．Rabと細胞内小胞輸送 25 4．トランスポーター ＜高橋哲也，川上秀史＞ 29 A．概 説 29 B．グルタミン酸トランスポーター 30 C．GABAトランスポーター 30 D．ノルアドレナリントランスポーター 31 E．グリシントランスポーター 31 F．セロトニントランスポーター 32 G．ドパミントランスポーター 33 H．コリントランスポーター 34 5．神経伝達物質の脳内局在 ＜遠山正彌＞ 37 A．「共存の原則」が存在するか？ 37 B．末梢神経系における共存の代表例とその意義 37 1．交感神経節後ニューロン 37 2．副交感神経節後ニューロン 40 3．後根神経節（DRG）ニューロン 42 4．運動ニューロン 44 C．中枢神経系における共存の代表例とその意義 44 6．神経伝達物質遊離機構 ＜笹 征史＞ 48 A．シナプス小胞の移動 49 B．シナプス小胞のシナプス前膜とのドッキングとプライミング 50 1．SNARE系 51 2．GTP結合タンパク系 52 C．融合孔の形成 52 II．神経機構と神経伝達物質 1．神経の成長・分化と神経伝達物質 ＜松木則夫＞ 54 A．神経の成長や分化を促進する因子-神経栄養因子 54 B．神経伝達物質と神経栄養因子 55 C．神経栄養効果を示す神経伝達物質 55 1．セロトニン 56 2．アセチルコリン 56 3．ドパミン 56 4．グルタミン酸 57 5．γアミノ酪酸（GABA） 57 6．神経ペプチド 57 2．神経の可塑性と神経伝達物質 ＜宮本英七＞ 58 A．脳の可塑性のモデル 58 B．海馬CA1領域でのLTP誘導 59 1．LTP誘導に必要な成分および阻害薬 59 2．ノックアウトマウス 60 3．CaMキナーゼII活性の変化 60 4．CA1領域LTP誘導・維持の分子機構 60 3．老化と神経伝達物質 ＜浦上克哉，中島健二＞ 63 A．アセチルコリン系 63 B．モノアミン系 64 C．アミノ酸系 65 D．神経ペプチド系 65 4．知的機能と神経伝達物質 ＜佐藤昭夫＞ 67 A．学習・記憶と伝達物質 67 1．アセチルコリン 67 2．カテコールアミン 68 3．セロトニン 68 4．グルタメート 68 5．神経ペプチド 69 6．その他の物質 69 B．動機づけと伝達物質 70 1．カテコールアミン 70 2．神経ペプチド 70 5．不安の神経伝達機構 ＜澁谷治男＞ 73 A．ノルアドレナリンと不安 74 B．セロトニン作動系と不安 74 C．コレシストキニンと不安 76 6．睡眠と神経伝達物質 ＜井上昌次郎＞ 78 A．歴史的背景と現況 78 B．睡眠調節機構と神経伝達物質 78 C．アデノシンと睡眠調節 79 D．Glu／GABAと睡眠調節 79 E．神経伝達物質の相互作用と睡眠調節 80 7．循環機能と神経伝達物質 ＜松川寛二＞ 83 A．心臓および血管運動調節に関る交感神経活動ならびに副交感神経活動 83 B．自律神経伝達物質の種類 85 1．古典的神経伝達物質（NEとACh）と受容体 85 2．プリンおよびペプチド類 85 3．NO（一酸化窒素） 87 C．自律神経伝達物質の移動（神経活動・神経末端からの放出→組織間→血液） 87 D．動脈血圧反射に関る脳内神経伝達物質およびその候補 89 8．消化機能と神経伝達物質 ＜岸本眞也，林 かおり＞ 93 A．消化管の神経伝達物質の種類 93 B．神経伝達物質と消化管運動 95 1．消化管運動促進 95 2．消化管運動抑制 95 C．分泌と神経伝達物質-胃酸分泌の伝達物質による調節 96 D．水・電解質分泌／輸送と伝達物質 96 9．視覚と神経伝達物質 ＜佐藤宏道，吉村由美子＞ 98 A．網膜 98 B．外側膝状体 100 C．一次視覚野および視覚前野 101 10．内分泌系と神経伝達物質 ＜服部尚樹＞ 106 A．視床下部ホルモン 106 1．TRH（thyrotropin releasing hormone） 107 2．GnRH（gonadotropin releasing hormone） 107 3．somatostatin 107 4．GHRH（growth hormone releasing hormone） 108 5．CRH（corticotropin releasing hormone） 108 6．PRF（prolactin releasing factor） 108 7．PIF（prolactin release inhibiting factor） 108 8．バゾプレッシン，オキシトシン 108 B．神経伝達物質による内分泌系の調節 108 C．神経ペプチド 109 11．免疫機能と神経伝達物質 ＜山崎俊樹＞ 113 A．外来刺激に対する生体応答 113 B．ストレスと免疫 114 C．免疫関連臓器への神経分布 115 D．神経伝達物質と免疫機能 115 E．免疫系から中枢神経系への情報伝達 120 F．生体防御機能および高次脳機能に及ぼすサイトカインの作用 123 12．排尿機能と神経伝達物質 ＜榊原隆次，服部孝道＞ 125 A．アセチルコリン 125 B．ノルエピネフリン 126 C．ATP 126 D．NO（一酸化窒素） 127 E．タヒキニン 127 F．VIP（vasoactive intestinal polypeptide） 127 G．ニューロペプチドY 127 H．CGRP（calcitonin gene-related peptide） 127 I．オピオイド 128 J．セロトニン（5-hydroxytryptamine） 128 K．γ-アミノ酪酸（GABA） 128 L．グルタミン酸 128 M．ドパミン 128 III．神経症状と神経伝達物質 1．痛 み ＜仲田義啓＞ 130 A．サブスタンスP 130 B．脊髄後角のサブスタンスPの遊離 131 1．セロトニン（5-HT）の5-HT3受容体を介したサブスタンスP遊離増強作用 131 2．5-HTによるサブスタンスP遊離調節メカニズム 132 2．ジストニアとジスキネジア ＜野元正弘＞ 136 A．ジストニア 136 1．病巣 136 2．病因，病態 137 3．関与する伝達物質 139 4．治療 140 B．ジスキネジア 140 1．病巣 140 2．病因，病態 140 3．関与する伝達物質 141 4．治療 141 3．起立性低血圧 ＜田村直俊＞ 145 A．ノルアドレナリンと起立性低血圧 145 1．交感神経節後線維におけるノルアドレナリン代謝 146 2．心血管系アドレナリン受容体 147 3．ノルアドレナリン代謝の観点からみた起立性低血圧の分類 149 B．ノルアドレナリン以外の神経伝達物質と起立性低血圧 151 4．頭 痛 ＜竹島多賀夫，中島健二＞ 154 A．片頭痛 154 1．セロトニン 154 2．ノルエピネフリン 155 3．ドパミン 155 4．グルタミン酸 155 5．γ-アミノ酪酸 156 6．プロスタグランディン 156 7．サブスタンス P，カルシトニン遺伝子関連ペプチド 156 8．オピオイド 156 9．エンドセリン 157 10．一酸化窒素 157 11．マグネシウム 157 12．神経伝達物質関連の遺伝子と片頭痛 157 B．群発頭痛 158 C．indomethacin反応性頭痛 159 D．緊張型頭痛，筋収縮性頭痛 159 5．薬物依存 ＜郭 哲輝，三木直正＞ 161 A．薬物依存 161 B．morphineやamphetamineなどの強化効果 162 C．薬物依存と遺伝子発現 162 IV．神経疾患と神経伝達物質 1．Parkinson病 ＜水田英二＞ 166 A．Parkinson病脳の生化学的変化 166 B．Parkinson病の病因研究のupdate 167 1．MPTP 167 2．ミトコンドリア障害 167 3．酸化的ストレス 167 4．アポトーシス 168 5．新たな神経毒の探求 168 6．シトクロムP-450 169 7．モノアミン酸化酵素（MAO） 169 8．家族性Parkinson症候群 169 C．Parkinson病の治療研究update 170 1．L-ドパ治療の問題点 170 2．ドパミンアゴニスト 170 3．COMT阻害薬 170 4．MAO阻害薬 170 5．後腹側淡蒼球手術 171 6．グルタミン酸受容体アンタゴニスト 172 7．グリア由来神経栄養因子 173 2．Huntington病 ＜塚本 忠＞ 178 A．最近のHuntington病研究の動向 Huntington病遺伝子IT15とその遺伝子産物huntingtin 178 B．pathogenesis of HD 179 C．Huntington病の病理 180 D．Huntington病と神経伝達物質・受容体 180 1．γ-アミノ酪酸（GABA） 181 2．サブスタンスP 181 3．エンケファリン 181 4．アセチルコリン 182 5．グルタミン酸 183 6．ドパミン 183 7．ソマトスタチン 184 8．ニューロペプチドY 184 9．一酸化窒素（NO・） 184 10．カンナビノイド 184 11．コレシストキニン（CCK） 184 12．VIP（vasoactive intestinal polypeptide） 184 13．トリプトファン代謝物 185 14．huntingti n の分布・局 在 185 E．今後の治療に関わるトピックス 185 3．Machado-Joseph病 ＜酒井徹雄＞ 189 A．ビオプテリン代謝からみたMachado-Joseph病 189 1．「sulfamethoxazole-trimethoprimが神経症状を改善させる薬理作用」に関する仮説 189 2．sulfamethoxazole-trimethoprim二重盲検交叉試験 190 3．テトラヒドロビオプテリン二重盲検交叉試験 192 B．Machado-Joseph病における髄液β-エンドルフィンとサブスタンス P 192 4．Alzheimer病 ＜遠山育夫，木村 宏＞ 194 A．アセチルコリン（ACh） 194 1．アセチルコリン関連代謝酵素活性 194 2．アセチルコリン合成能ほか 195 3．コリン神経細胞数 195 4．受容体 196 B．カテコールアミン系 196 1．ノルエピネフリン 196 2．ドパミン 197 C．セロトニン（5HT） 197 D．アミノ酸 198 1．γ-アミノ酪酸（GABA） 198 2．グルタミン酸 198 E．神経ペプチド 198 5．てんかん ＜森本 清，山田了士＞ 202 A．発作発現の主要な神経伝達 202 1．側頭葉てんかんの神経伝達機構 202 2．全般性てんかんの神経伝達機構 205 B．発作発現の神経調節 206 1．モノアミン 206 2．神経ペプチド 207 C．細胞内情報伝達系 208 1．G蛋白質 208 2．細胞内二次情報伝達系 208 3．最初期遺伝子 208 4．神経栄養因子 208 D．側頭葉てんかんにおけるシナプス再構成 209 6．精神分裂病 ＜融 道男＞ 213 A．ドパミン（DA）ニューロンの異常 213 1．DA仮説 213 2．D2受容体 213 3．D2以外のDA受容体 214 B．グルタミン酸（Glu）ニューロンの異常 215 C．セロトニン（5HT）ニューロンの異常 216 D．ノルアドレナリン（NA）ニューロンの異常 216 E．アセチルコリン（ACh）ニューロンの異常 217 F．神経ペプチドの異常 217 7．気分障害（躁うつ病） ＜野村総一郎＞ 220 A．神経伝達物質の異常を巡る研究の流れ 220 B．最近我が国で提唱された仮説 222 1．脆弱性-ストレスモデル 222 2．G蛋白機能インバランス仮説 223 3．セロトニン-ノルアドレナリン制御不全仮説 224 8．脳血管障害 ＜林 健，阿部康二＞ 227 A．虚血時の神経伝達物質放出機序 227 1．細胞外カリウムの変化 227 2．グルタミン酸との関係 228 B．各神経伝達物質の変化 228 1．GABA 228 2．ノルアドレナリン 228 3．ドパミン 229 4．ヒスタミン 229 5．セロトニン 230 6．アセチルコリン 230 C．グルタミン酸による神経障害 230 9．本態性振戦 ＜三森康世＞ 233 A．本態性振戦とアドレナリン作動系 234 B．本態性振戦と他の神経伝達物質 236 10．瀬川病 ＜上野 聡＞ 239 A．ドパミン合成系の異常 239 B．GCH遺伝子異常の同定 240 C．GCH活性と遺伝子異常 241 D．dominant negative effectについて-mRNAの立場から 241 E．変異遺伝子の培養細胞での発現 243 11．重症筋無力症 ＜高守正治＞ 245 A．神経筋接合部の構造と機能 245 B．重症筋無力症 248 1．成因 248 2．アセチルコリン受容体分子構造と免疫 248 3．胸腺 251 4．リアノジン受容体と免疫 251 5．重症筋無力症における前シナプス機能修飾 254 12．筋萎縮性側索硬化症 ＜長尾早江子＞ 258 A．ALSと興奮性アミノ酸による神経細胞死 258 B．ALSにおけるスーパーオキシドジスムターゼ遺伝子の変異 259 C．ALSにおけるニューロフィラメント異常 261 D．ALSと神経栄養因子 261 13．神経伝達物質産生腫瘍 ＜富永 篤，栗栖 薫＞ 264 A．神経系腫瘍 264 1．paraganglioma 264 2．neuroblastoma 266 3．gangliocytoma 266 4．その他 266 B．神経内分泌腫瘍 266 14．神経毒 ＜高橋哲也＞ 270 A．グルタミン酸受容体に作用する神経毒 270 1．kainic acid 270 2．domoic acid（domoate） 270 3．L-BOAA（β-N-oxalylamino-L-alanine），L-BMAA（β-N-methylamino-L-alanine） 271 B．グルタミン酸と細胞障害性 271 C．グルタミン酸，nitric oxide（NO）と脳虚血 271 D．グルタミン酸とその他の神経疾患 273 15．PETによる脳内神経伝達物質と受容体の測定-神経変性疾患への応用 ＜篠遠 仁＞ 275 A．PETによる黒質線条体ドパミン系機能の測定法 276 B．Parkinson病およびParkinson症候群 278 1．Parkinson病のPET所見 278 2．Parkinson病の鑑別診断 279 3．潜在的黒質線条体ニューロン障害の検出 279 4．Parkinson病の前臨床期間と進行速度 279 C．Alzheimer病 280 V．神経疾患治療と神経伝達物質 1．神経伝達物質による治療の可能性と限界 ＜中村重信＞ 284 A．神経伝達物質による治療の可能性 284 1．前駆体療法 284 2．補酵素の補給 285 3．受容体刺激物質 286 4．受容体遮断作用 286 5．神経伝達物質分解酵素阻害物質 287 6．神経伝達物質分泌促進物質 287 7．神経伝達物質分泌抑制物質 287 8．神経伝達物質トランスポーター阻害物質 289 B．神経伝達物質を介する治療の問題点 289 2．拮抗物質 ＜山田清文，鍋島俊隆＞ 291 A．ドパミン受容体アンタゴニスト 291 1．精神分裂病 292 2．老年期痴呆の周辺症状 292 B．セロトニン受容体アンタゴニスト 292 1．うつ病 292 2．精神分裂病 292 3．その他 294 C．アセチルコリン受容体アンタゴニスト 294 D．グルタミン酸受容体アンタゴニスト 294 E．ベンゾジアゼピン受容体アンタゴニスト 295 F．シグマ受容体アンタゴニスト 295 G．カルシウムアンタゴニスト 295 H．モノアミン取り込み阻害薬 296 3．類縁体（ドパミン受容体アゴニスト） ＜久野貞子＞ 298 A．Parkinson病治療史におけるドパミン受容体アゴニスト 298 B．ドパミン受容体サブクラスとアゴニストの抗Parkinson病作用 299 C．ドパミン受容体アゴニストの分子構造と薬理作用 300 D．bromocriptineの抗Parkinson病作用 302 4．補酵素 ＜一瀬 宏＞ 304 A．BH4投与による水酸化酵素の活性化 304 B．末梢から投与したBH4が脳内に入るか？ 305 C．BH4投与により脳内モノアミンの量が増加するか？ 305 D．ドパレスポンシブジストニアに対するBH4の効果 306 E．今後の展望 306 5．フリーラジカルスカベンジャー ＜小川紀雄＞ 308 A．フリーラジカルと活性酸素種 309 B．フリーラジカルの反応の特殊性 310 C．フリーラジカルによる神経細胞傷害 310 D．脳におけるフリーラジカル・活性酸素種 311 E．フリーラジカル・活性酸素種に対する消去系 311 F．ドパミンアゴニストの抗酸化作用 312 6．ボツリヌストキシン ＜目崎高広，梶 龍兒＞ 317 A．ボツリヌス毒素 317 1．毒素の構造と作用 317 2．毒性の表記法 318 B．ボツリヌス治療 319 1．調製法 320 2．使用法 320 3．治療効果の判定 320 4．副作用 321 5．抗毒素抗体 321 7．神経移植 ＜内田耕一＞ 323 A．神経移植による治療の可能性と限界 323 B．Parkinson病に対する胎児黒質神経細胞移植 325 1．ドナー神経細胞の確保 326 2．臨床例の現状 327 C．TH遺伝子導入細胞の脳内移植（最近の興味ある知見） 328 1．Parkinson病モデル動物の機能評価 328 2．tetrahydrobiopterinの補充 329 3．外来遺伝子の長期発現 330 8．副作用 ＜葛原茂樹＞ 333 A．ドパミン作動薬による副作用 333 1．消化器症状 334 2．循環器症状 334 3．性欲亢進と性行動異常 335 4．悪性症候群 335 5．精神症状 336 6．不随意運動（ジスキネジアとジストニア） 336 7．L-DOPA 長期服用に伴、効果の変動 337 B．抗コリン薬の副作用 338 C．droxidopaの副作用 338 索 引 340 0 0 0
