免疫学ハイライト<br> 分子レベルの自己免疫疾患

免疫学ハイライト
分子レベルの自己免疫疾患

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  • サイズ A5判/ページ数 142p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784498006881
  • NDC分類 491.8
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 現在, 自己免疫疾患については分子生物学の手法を十二分に駆使して, 自己免疫現象と, それを引起こす病因, 病態などを詳細に検討しているところである. 本書は分子レベルでの本疾患への最近のアプローチを興味深く, 簡明に解説したものである. 内容は自己免疫疾患の概説, 動物モデル, HLA を中心とした免疫遺伝学, 自己抗原とB 細胞応答, T 細胞とT 細胞レセプター, サイトカイン・接着分子・アポトーシスなどで, ホットな情報が理解し易く整理されている. 序  細胞免疫学と分子免疫学の進歩は目覚ましく,複雑な免疫現象の幾つかが,そのベールを剥がされようとしている。しかし一方,免疫が関与する実際の疾患が,それと同じように解明されているかというと,そうでもない。その代表が自己免疫疾患であろう。それは例えば自己の抗原に対する免疫現象それ自体の位置付けが明確でなく,さらに生体全体の免疫現象はかなり複雑で重複性を持つことから,原因や病態を考えるにも可能性が幾つもあるなどの理由によると思われる。  免疫に関する新しい分子が見つかった場合,自己免疫疾患でその遺伝子の発現を検討すると,かなりの率で異常が見つかる。しかし,それではその遺伝子が自己免疫疾患の原因遺伝子であるかというと,おそらくそうではない。自己免疫疾患の動物モデルで,その責任遺伝子と考えられている遺伝子が,ヒトでは患者に異常が見い出されない例もある。自己免疫疾患の何が本質で,何が二次的なものかを区別することは難しいが,必要な作業である。  物事を分析する場合,なるべく分析可能なところまで細かく調べ,その後にそれらを使って全体を再構築する方法が用いられる。  自己免疫疾患についても,今まさに分子生物学の手法を十二分に駆使して,自己免疫現象,それを引き起こす病因,種々の病態などを詳細に検討する時期であろう。本書はそのような観点での最近のアプローチの幾つかを概説することを目的とした。自己免疫疾患の新しい理解に役立てば幸いである。 1994年12月 山本一彦    《目次》 目次 I.概論 〈山本一彦〉 1 A.自己免疫疾患とは 2 B.免疫学的寛容(トレランス)とその破綻 5 C.自己免疫疾患の発症および病態形成に関与していると考えられる種々の因子 6 1.遺伝的素因 6 2.隔絶抗原や修飾された抗原の免疫系への提示 7 3.MHCクラスII分子の異所性発現 8 4.インディオタイプネットワークの乱れ 8 5.分子相同性 9 6.ウイルスの関与 9 7.Th1,Th2のバランスとサイトカイン 9 8.ポリクローナルなB細胞の活性化 10 9.サプレッサー機能や調節性T細胞機能の不全 10 10.接着分子 11 11.細胞内シグナル伝達の異常 11 D.自己免疫疾患の免疫病理学的機構 12 II.動物モデル 〈加藤智啓〉 15 A.NODマウス 17 B.EAE 21 1.EAEとT細胞ワクシネーション 22 2.MBPにおける抗原決定基の経時的変化 23 C.MRL/lprマウス 25 1.MRL/lprマウスで増殖するリンパ球 26 2.lpr変異 27 D.(NZB×NZW)F1(B/WF1)マウス 28 1.H-2ハプロタイプとの関係 29 E.SCIDマウス 32 III.免疫遺伝学(HLAを中心として) 〈兼岡秀俊 坂根 剛〉 35 A.HLAの構造 36 B.HLAによる抗原提示 40 C.疾患感受性遺伝子としてのHLA 44 1.免疫学的寛容 49 2.免疫応答遺伝子・免疫抑制遺伝子 50 3.発症遺伝子 50 4.真の疾患感受性遺伝子と連鎖不平衡の関係にあるHLA 50 5.molecular mimicry 51 6.HLA分子が感染因子やホルモンなどの発症分子の受容体である 53 D.HLAを中心にした自己免疫疾患の先端的治療 54 1.モノクローナル抗体 54 2.T細胞抗原レセプター 57 3.ペプチド療法 58 4.遺伝子治療 58 IV.自己抗原とB細胞応答 〈三崎義堅〉 61 A.自己抗原 63 1.ヌクレオソーム抗原 63 2.スプライソゾーム抗原 67 3.RoRNP 70 4.tRNA合成酵素 71 5.リボソームRNP 71 6.核小体抗原 72 7.熱ショック蛋白 73 B.免疫寛容の破綻の仮説 74 1.complex特異的T細胞 74 2.交差反応性B細胞 75 3.スーパー抗原 76 V.T細胞とT細胞レセプター 〈山本一彦〉 81 A.自己免疫疾患と抗原特異性 82 B.抗原特異的免疫反応とT細胞 83 C.全身性エリテマトーデスにおけるT細胞の機能異常 86 D.自己免疫疾患におけるTCRの解析 87 E.TCRの分析法 89 F.新しいクロナリティー検出のシステム 91 G.慢性関節リウマチにおけるT細胞の役割とクロナリティー 92 VI.サイトカイン・接着分子・アポトーシス 〈檜垣 恵〉 97 A.サイトカイン 98 1.リンパ球浸潤 101 2.血管新生および走化因子 103 3.滑膜細胞のクラスII抗原および接着分子 103 4.滑膜増殖因子 104 5.組織破壊 105 6.全身性エリテマトーデス(SLE),その他 105 B.接着分子 106 1.血管内皮細胞 109 2.好中球の浸潤 111 3.リンパ球の浸潤 111 4.ケモカインの役割 112 C.アポトーシス 114 文献 117 索引 137

目次

1 概論
2 動物モデル
3 免疫遺伝学(HLAを中心として)
4 自己抗原とB細胞応答
5 T細胞とT細胞レセプター
6 サイトカイン・接着分子・アポトーシス

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