出版社内容情報
《内容》 問答形式で免疫学をわかりやすく解説したテキスト。初版以来好評を得てきたが、今回最新の進歩を踏まえて改訂を行った。
第10版の序
本書の初版は23年前に刊行された.その後,免疫学の進歩に合せ2~3年おきに適宜手を加えた改訂版を出し,7版では全面的な書き直しを行った.まったくの初学者を対象とするということを念頭に置いているので,学問の最先端の詳細な部分には立ち入れないことはやむをえないと思うが,基本的な考え方に関しては時代に遅れない内容にしているつもりである.今回の改訂にあたり,改めて読み直してみて,初学の方にでも理解しやすいように記されているように思う.免疫学は多くの方が関心をもっておられるのに,難解なゆえに敬遠されているきらいがある.本書はそれに対して入りやすい入口を用意できるものと自負している.これまで多くの方に御愛読を頂いたが,この10版も免疫学のかけ値なしの入門書としてお役に立てればと思う.
2004年9月
著者
《目次》
目次
1.免疫とは何か 1
自己と非自己
自己と非自己の識別
抗原レセプター
非自己の排除
T細胞の抗原認識とMHC
非自己細胞の破壊
大まかな非自己の認識
免疫とアレルギー
2.抗体の構造と機能 17
抗体の構造
抗体の抗原結合部の多様性
-どうして無数に近い種類の鍵穴が用意できるのか
免疫グロブリンとそのクラス
抗体の働き
3.白血球の種類 40
4.リンパ球の種類と働き 43
B細胞
T細胞
NK細胞
NKT細胞
LAK
5.T細胞と抗原との反応 54
6.T細胞の分化 64
7.B細胞からの抗体産生 72
B細胞の分化
T細胞による抗体産生補助
抗体産生
8.異物の除去と食細胞 77
9.異質細胞の破壊 81
キラーT細胞
NK細胞
抗体の関与する細胞傷害
輸血反応
移植拒絶反応
移植片対宿主反応
がん免疫
10.免疫反応の調節 97
抗イディオタイプ抗体
Fcレセプターを介する制御
細胞死による制御
負のシグナルによる制御
サプレッサー(レギュラトリー)T細胞
11.免疫細胞の動態 106
12.サイトカイン 114
サイトカインとサイトカインネットワーク
インターロイキン
13.補体の働き 121
活性化の古典経路
活性化の二次経路
補体の制御
14.感染をどうやって防ぐか 129
局所免疫
化膿菌の防御
細胞内寄生菌の防御
ウイルスの防御
予防接種
免疫不全
15.免疫反応が起こす病気 143
アレルギー
免疫トレランス(免疫寛容)
自己免疫
索引 157