出版社内容情報
《内容》 現在の病理学教科書は,一般的に総論で疾患のカテゴリーの解説がなされ,各論で臓器別に各疾患が記述されている.そのため総論と各論が必ずしも有機的に結びついておらず,疾患の成り立ち,位置づけを系統的に理解することが,困難になっている.そこで,本書は総論と各論とを分けることをやめ,各疾患のカテゴリーの理解を図った上で各疾患を臓器別ではなく,系統別に記述した新しい病理学書である.疾患の概念と種類を整理,統一することにより,疾患カテゴリーの概念が実際の各種臓器の病変と結びついて,相互の理解を助け合うよう構成したものである.病気の成り立ちから形態学まで,最新の病理学が興味を持って学べる画期的な病理学書である.本書を出版するにあたって 科学の進歩が速い現代において,医学に関する知識量は膨大となり,また,医学教育においては知識の修得のみではなく実際に則した体験学習の必要性が強調されるようになってきており,それらを限られた時間で修得しなければならなくなりました.このような状況において,これまでの医学教育カリキュラムの見直しが要請されるようになったのは,蓋し必然であります.大学医学部における病理学の教育も当然その見直しの潮流の外ではありえず,病理学教育の基本となる病理学教科書を改めて見直してみることも必要となりました.本書が企画された時代は,まさしくこのような時でありました. 既存の病理学の成書は,一般的に病理学総論と病理学各論とに大別され記述されています.さらに病変のカテゴリーは5,6の項目に分類されていて,病理学総論ではそれらにつき主として概念的な説明がなされ,病理学各論では個々の臓器組織に生じる病変つまり病気についての解説がなされています.したがって,学生に対する病理学教育のカリキュラムは当然のことながら総論,各論の順で組まれているのが現状です. これまでの病理学学習は病気全体の原因,成り立ち,臓器組織変化(総論)を知り,次に臓器組織別に個々の病気(各論)を習得する順であります.しかし,総論(全体)における個々の病変の説明にあたってはよく病気の名前(個)が例として挙げられますが,その病気の実態が各論で解説されるために,この時点での学習ではただ単に病気名の記憶のみに止まるのが通例であり,その病気を実際に理解することができません.そのようなことを少しでも避けるためには,‘全体は個から成り,個の集まりが全体’ですから,その順序が逆である学習方法つまり個(各論)を知って全体(総論)を知る順もある訳です.病理学が体系化されるに至った過程を歴史的にみると,それは個々の病気(各論)にみられる変化の共通点を幾つかの病変にまとめた(総論)という順を踏襲しています.どちらが病理学の学習に能率的であるかということになります.このことに関しては一長一短がありましょう.しかし,総論では病変というものを概念的に理解することはできても,個々の病気を実感することには多少の難点があります. 以上のようなことから,本書の企画にあたっては2つのことを基本としています.一つは,総論と各論をなかば一体化し,そして病気の実態をより把握することができるように臨床的所見をも取り込んだ病理学教科書にするということです.もう一つは,医学に関する知識が膨大な量に及んでいる現在,それらを学習するには時間が十分でありません.したがって,少ない医学教育の時間内で病理学の骨子を修得しなければならないという前提がありますから,ひとまず贅肉を削ぎ落とした必要最小限の知識を記述するということであります. 本書を企画し,そして多くの執筆者に各専門分野の分担をお願いしてから,はや8年が経過してしまいました.その過程で新知見の加筆などをお願いし,また,中外医学社の担当者の手を煩わせました.そのお陰でどうにか基本に沿った病理学教科書が出来上がったのではないかと思います.読者の忌憚のないご意見を期待しております. 1997年3月20日編集者一同 《目次》 目 次序説にかえて-現在の医学の中における病理学…〈中村恭一〉 1 §1.物質代謝障害I.物質代謝障害とは…〈鈴木利光〉 4II.物質代謝障害の種類…7 A.変 性…〈鈴木利光〉 7 1.蛋白質・核酸代謝障害…7 2.脂質代謝障害…13 3.糖質代謝障害…15 4.無機質代謝障害…16 5.生体色素代謝障害…17 B.萎 縮…〈鈴木利光〉 21 萎縮の種類…21 C.壊 死…〈鈴木利光〉 24 1.壊死の原因…24 2.壊死の所見…25 3.壊死の型…25 4.壊死による影響…27 5.壊死巣の運命…28III.物質代謝障害による病気…29 A.蛋白質,核酸代謝による病気…29 1.アミロイドーシス…〈笠島 武,増田昭博〉 29 2.痛 風…〈町並陸生〉 34 B.脂質代謝障害による病気…37 1.脂肪肝…〈内田俊和〉 37 2.脂肪心…〈桜井 勇〉 39 3.粥状動脈硬化症…〈山田 勉〉 39 4.先天性脂質代謝異常症…〈清水興一〉 45 C.含水炭素代謝障害による病気…51 1.糖尿病…〈須田耕一〉 51 2.糖原蓄積症…〈佐々木佳郎〉 55 3.ムコ多糖症…57 D.アポートシス…〈鈴木利光〉 62 E.無機質代謝障害による病気…64 1.結石形成…〈鈴木利光〉 64 2.カルシウム代謝異常による病気…67 F.生体色素代謝障害による病気 …〈内田俊和〉 69 1.黄疸の成り立ちとその疾病…69 2.ヘモクロマトーシス,ヘモデローシス…70 3.ポルフィリン症…73 G.中枢神経系の変性による病気…〈桶田理喜〉 77 1.アルツハイマー病…77 2.重金属中毒…79 3.一酸化炭素中毒…81 H.骨格筋の萎縮をきたす主な筋疾患…〈桶田理喜〉 83 1.神経原性萎縮…83 2.無為萎縮…84 3.消耗性萎縮…84 4.ミオパチー…84§2.内分泌系障害(非腫瘍性)I.内分泌系障害とは…〈根本則道〉 86 1.ホルモンの概念とその変遷…86 2.分泌細胞の分泌ならびに刺激伝達様式…86 3.脳-腸ホルモン…88 4.消化管の内分泌細胞…89 5.パラニューロンとその特徴…89 6.フィードバックによる内分泌系の調節…90 7.ホルモン作用と受容体…92 8.内分泌障害とその病態…93II.内分泌障害による病気…96 A.間脳-下垂体系(視床下部-下垂体系)…〈岡野匡雄〉 96 1.尿崩症…96 2.シーハン症候群…97 3.梗 塞…97 4.汎下垂体機能低下症…97 B.甲状腺…〈岡野匡雄〉 99 1.過形成…99 2.GRAVES病…99 3.甲状腺炎…99 C.副甲状腺…〈岡野匡雄〉 101 D.副 腎…〈岡野匡雄〉 102 1.結 核…102 2.自己免疫性副腎炎…102 3.ADDISON病…102 4.WATERHOUSE-FRIDERICHSEN症候群…102 5.皮質過形成…103 6.クッシング症候群…103 7.Aldosteronism…104 E.膵臓のLANGERHANS島…〈岡野匡雄〉 105 F.睾丸(精巣)…〈岡野匡雄〉 106 萎縮,KLEINFELTER症候群…106 G.卵 巣…〈岡野匡雄〉 108§3.循環障害I.循環障害とは…〈桜井 勇〉 110 1.概 念…110 2.血液循環(心血管)系の基本的な構造…110 3.物質交換の場:毛細血管床…111 4.心・血管壁構造と機能…112 5.臓器間の相互影響…113 6.リンパ…114II.循環障害の種類…115 A.充 血…〈桜井 勇〉 115 1.定 義…115 2.生理的充血…115 3.病的充血…115 B.うっ血…〈桜井 勇〉 116 1.定 義…116 2.全身性のうっ血…116 3.肺のうっ血…120 4.門脈系のうっ血すなわち門脈圧亢進症…121 5.上大静脈症候群…122 6.下大静脈閉塞…123 C.出 血…〈桜井 勇〉 124 D.局所的虚血…〈桜井 勇〉 127 1.虚 血…127 2.吻合と側副循環…127 3.血液凝固・線溶と血栓症…127 4.塞栓症…129 5.梗塞症…130 E.水および電解質代謝異常…〈森 吉臣〉 132 1.体液の調節…132 2.血液pHの調節…132 3.酸塩基平衝障害…132 4.電解質異常…133 F.ショック…〈森 吉臣〉 136 1.循環血液量減少性ショック…136 2.心原性ショック…136 3.細菌性ショック…136 4.ショックと臓器障害…136 G.高血圧と低血圧…〈桜井 勇〉 137III.循環障害による病気…139 A.心肥大と拡張および心不全…〈桜井 勇〉 139 心肥大・拡張を惹起する心疾患…139 B.うっ血性肝硬変…〈内田俊和〉 155 C.心臓の循環障害-心筋梗塞など…〈桜井 勇〉 158 1.冠循環の特徴…160 2.虚血による心筋障害 -狭心症と心筋梗塞…161 3.心筋梗塞の続発症…165 D.脳,脊髄の循環障害…〈小林槙雄〉 166 1.脳,脊髄血管に関する基礎的事項…166 2.脳梗塞…167 3.脳出血…169 4.くも膜下出血…171 5.脊髄循環障害…173 E.腸管の循環障害…〈三富弘之〉 175 1.小腸の循環障害…176 2.大腸の循環障害…179 3.その他の原因による腸循環障害…180 F.腎の循環障害…〈森 吉臣〉 184 1.腎うっ血…184 2.腎梗塞…184 3.糸球体内血液凝固…184 4.動脈硬化による腎病変…185 5.腎皮質壊死…187 G.門脈高血圧…〈内田俊和〉 189 H.肺高血圧症…〈細田泰弘〉 194 1.高血圧性肺血管病変…194 2.反復性肺血栓塞栓症…196 3.肺静脈閉塞症…196 4.弾性型動脈にみられる変化…197 5.二次性肺高血圧症の原因疾患…198 6.原発性肺高血圧症…199 7.心臓との関連…199 I.血球系病変…〈根本啓一〉 200 1.貧 血…200 2.赤血球増多症…200 3.白血球増多症…201 4.白血球減少症…207 5.出血性素因および紫斑症…207§4.炎症(免疫反応,免疫異常)I.炎症・免疫の成立機転…〈能勢眞人〉 210 1.炎症は細胞組織障害に対する生体反応である…210 2.急性炎症はプロセスである…210 3.急性炎症はchemical mediatorに支配される…214 4.急性炎症のプロセスは種々の要因により修飾される…217 5.慢性炎症にはマクロファージが主役をなす…217 6.免疫の獲得は抗原レセプターを介したリンパ球の応答である…219 7.免疫応答はMHCとV遺伝子産物に規定される…221 8.免疫反応はリンパ球とその産生物による遠心性回路である…224 9.免疫反応は炎症を誘導する…227 10.免疫応答異常は自己免疫を誘導する…229II.炎症の組織形態…松尾英一…231 1.変質性炎…231 2.漿液性炎…231 3.カタル性炎…232 4.化膿性炎…232 5.線維素性炎…233 6.出血性炎…234 7.壊疽性炎…234 8.増殖性炎と肉芽腫性炎…234III.細菌による病気…243 A.一般細菌による病気(ブドウ状球菌, 連鎖状球菌,大腸菌などを含む)…243 1.菌血症,敗血症,内毒素血症…〈重松秀一〉 243 2.副鼻腔炎…245 3.扁桃炎…245 4.細菌性肺炎…〈小池盛雄〉 246 5.腸の炎症…〈谷澤 徹〉 250 6.胆嚢・胆道炎,肝膿瘍…253 7.腹膜炎…255 8.尿路の炎症…〈藍沢茂雄〉 255 9.皮膚の炎症…〈春日 孟〉 257 10.化膿性髄膜炎と脳膿瘍…〈桶田理喜〉 258 11.運動器の化膿性炎症…〈牛込新一郎〉 260 B.結核症…〈河端美則〉 263 1.感染と発病…263 2.結核性病変の基本形とその形成機序…263 3.臓器結核症としての慢性肺結核症…264 4.組織診断上の問題…264 C.梅 毒…〈田口誠治〉 266 D.その他…〈谷澤 徹〉 267 1.エルシニア感染症…267 2.腸チフス…267 3.淋菌感染症…267 4.細菌性赤痢…268 5.コレラ…268 6.破傷風…268 7.ボツリヌス中毒…268IV.リケッチアによる病気…〈谷澤 徹〉 270 1.発疹チフス群…270 2.紅斑熱群…270 3.ツツガムシ病群…270 4.Q 熱…271 5.腺熱リケッチア症…271V.クラミジアによる病気…272 Chlamydia感染症…〈小池盛雄〉 272 1.オウム病…272 2.トラホーム…272 3.性行為感染症…274 4.鼠径リンパ肉芽腫…274VI.ウイルスによる炎症性疾患…275 A.ウイルス肝炎…〈内田俊和〉 275 1.肝炎ウイルス…275 2.ウイルス肝炎の組織像…276 3.ウイルス肝炎の分類…279 4.肝硬変と肝細胞癌…283 B.呼吸器系の病気…284 1.マイコプラズマ肺炎 …〈木村雄二,相田真介〉 284 2.サイトメガロ肺炎…284 3.インフルエンザウイルス肺炎…284 4.ヘルペス肺炎…285 5.麻疹ウイルス肺炎…285 6.アデノウイルス肝炎…285 C.中枢神経系の病気 -ウイルスによる中枢神経系疾患 …〈桶田理喜〉 286 1.RNAウイルスによる脳感染症…288 2.DNAウイルスによる脳感染症…291 3.Unconventional agentによる脳感染症…293 D.皮膚の病気(ヘルペス,麻疹,風疹) …〈星 和栄,若狭治毅〉 296 1.単純ヘルペスと水痘,帯状疱疹…296 2.麻 疹…297 3.風 疹…298 E.心筋症,心筋炎…〈松原 修〉 299 1.心筋症の概念…299 2.拡張型(うっ血型)心筋症…300 3.肥大型心筋症…300 4.拘束型心筋症…301 5.心筋炎の概念…302 6.ウイルス性心筋炎…303 7.その他の感染性心筋炎…304 8.その他の特定心筋疾患…304 F.流行性耳下腺炎 …〈木村雄二,相田真介〉 305 G.HIV感染症…〈浅野重之,若狭治毅〉 306 1.HIV感染の発症機序…306 2.リンパ節の病理像…307 3.胸腺の病理像…308 4.脾の病理像…309 5.その他の臓器の病理像…309 6.日和見感染症…309 7.合併症…309 H.サイトメガロウイルス(CMV)による 病気…〈星 和栄,若狭治毅〉 311VII.真菌による病気…發地雅夫…312 1.カンジダ症…313 2.アスペルギルス症…314 3.クリプトコックス症…315 4.ムーコル症…316 5.ヒストプラスマ症,その他…317 6.放線菌症,ノカルジア症…318VIII.原虫および寄生虫による病気 …〈谷澤 徹〉 320 1.アメーバ赤痢…320 2.日本住血吸虫症…321 3.アニサキス症…323 4.糞線虫症…324 5.回 虫…325 6.肝包虫症(エキノコッカス)…326IX.免疫機序による病気…327 A.自己免疫による病気…327 1.全身性エリテマトーデス …〈細田泰弘〉 327 2.慢性関節リウマチ…〈浅野伍朗〉 331 3.その他の膠原病…334 4.悪性貧血…〈阿部正文,若狭治毅〉 338 5.特発性血小板減少性紫斑病…340 6.自己免疫性溶血性貧血…340 7.橋本病(橋本甲状腺炎) …〈岡野匡雄〉 341 8.BASEDOW病(甲状腺機能亢進症)…343 9.特発性ADDISON病,原発性副腎皮質不全症…345 10.(若年性)インスリン依存性糖尿病…347 11.男性不妊症…〈斉藤 澄〉 347 12.リウマチ熱…〈桜井 勇〉 348 13.GOODPASTURE症候群…〈木村雄二,相田真介〉 349 14.糸球体腎炎…〈重松秀一〉 349 15.シェーグレン症候群…〈星 和栄,若狭治毅〉 357 16.原発性胆汁性肝硬変…〈内田俊和〉 358 17.潰瘍性大腸炎…〈岡安 勲〉 360 18.CROHN病…362 19.重症筋無力症…〈星 和栄,若狭治毅〉 364 B.アレルギーによる分類…366 1.気管支喘息…〈能勢眞人〉 366 2.溶連菌感染後糸球体腎炎…367 3.ウイルス性心筋炎…368 4.その他の外来性抗原によるアレルギー疾患…368 C.免疫不全症候群…〈能勢眞人〉 370 1.原発性免疫不全症候群…370 2.続発性免疫不全症候群…373X.種々の原因による炎症性の病気…377 1.間質性肺炎,肺線維症…〈木村雄二,相田真介〉 377 2.胃 炎…〈岡安 勲〉 382 3.膵 炎…〈須田耕一〉 385 4.BUDD-CHIARI症候群…〈内田俊和〉 386 5.WEGENER肉芽腫症…〈木村雄二,相田真介〉 388 6.BEHCET病(BEHCET症候群)…〈浅野伍朗〉 389 7.乳腺炎…〈坂元吾偉〉 391 8.子宮頚管炎,子宮内膜炎…〈坂本穆彦〉 392 9.亜急性甲状腺炎…394 10.薬剤による障害…〈内田俊和〉 394 11.放射線による障害(炎症)…〈北川昌伸,春日 孟〉 400§5.組織欠損 〈三富弘之〉 1.胃・十二指腸潰瘍…408 2.腸の潰瘍…411§6.増殖と再生(進行性病変) 〈北條 洋,若狭治毅〉 A.肥大と増生…418 1.肥大,増生とは…418 2.心肥大…418 3.各組織の増生(または過形成)…418 B.組織の再生…420 1.再生とは…420 2.各組織の再生…420 C.肉芽組織と異物の処理(器質化)…421 1.肉芽組織とは…421 2.創傷治癒…421 3.異物の処理(器質化)…421 D.化生と異形成…422 1.化 生…422 2.異形成…422§7.腫 瘍I.腫瘍の概念…〈斉藤 澄,中村恭一〉 424 A.腫瘍とは?…424 1.腫瘍の定義…424 2.腫瘍の発生…425 B.腫瘍発生の原因は?…426 1.内 因…426 2.外 因…427 C.腫瘍の発生機序…431 1.分子レベルでの発癌機序…431 2.細胞組織レベルでの腫瘍発生…433 D.腫瘍の分類…436 1.腫瘍病理学の公理ともいうべきこと…436 2.生物学的ふるまいによる分類…436 3.発生母地組織による分類…438 E.腫瘍の認識:肉眼水準で…440 1.形 態…440 2.色 調…441 3.硬 さ…442 4.大きさ…443 F.腫瘍の認識:組織・細胞水準で…444 1.異型性…444 2.異型性による良性悪性の診断は?…444 3.細胞異型の所見…445 4.構造異型の所見…445 5.異形成…447 G.腫瘍の成長と広がり…449 1.腫瘍の増殖様式…449 2.悪性腫瘍の病期…453 3.腫瘍の再発…454 4.前癌病変または前癌状態…454 H.腫瘍と宿主との関係…456 1.腫瘍が宿主に与える影響…456 2.宿主の腫瘍に対する反応…456 3.癌と免疫…457 4.腫瘍細胞と宿主の生化学…457 I.腫瘍の診断…459 J.腫瘍の治療…461 K.疫学的にみた腫瘍の現状…462II.臓器別にみた上皮性腫瘍…465 A.呼吸器(鼻咽頭,喉頭,肺,胸膜) …〈木村雄二,相田真介〉 465 1.良性腫瘍…465 2.悪性腫瘍…467 B.消化器…478 1.口腔,食道,胃,大・小腸 …〈中村恭一〉 478 2.肝臓,胆嚢,胆道,膵臓 …〈岡安 勲〉 494 C.泌尿器腫瘍…501 1.腎の上皮性腫瘍…501 2.尿路の上皮性腫瘍…〈藍沢茂雄〉 503 D.性 器…507 1.膣,子宮,卵管…〈坂本穆彦〉 507 2.卵巣,睾丸,胎盤,前立腺 …〈本山悌一〉 510 3.乳 腺…〈坂元吾偉〉 516 E.内分泌器(下垂体,松果体,甲状腺, 副甲状腺,副腎,膵島)…〈亀谷 徹〉 519 1.内分泌器の腫瘍の特徴…519 2.下垂体に発生する腫瘍…519 3.松果体腫瘍…520 4.甲状腺の腫瘍…520 5.副甲状腺の腫瘍…522 6.副腎の腫瘍…522 7.膵島細胞の腫瘍…523 F.皮膚および付属器の腫瘍 …〈春日 孟〉 525 1.皮膚・付属器の良性腫瘍…525 2.皮膚・付属器の前癌病変…528 3.皮膚・付属器の悪性腫瘍…529 4.皮膚・付属器の腫瘍類似ないし境界病変…533 5.色素性産生性細胞の腫瘍…534III.非上皮性腫瘍(良性腫瘍,肉腫および 腫瘍類似病変)…543 A.線維組織腫瘍…〈牛込新一郎〉 543 1.線維増殖性病変…543 2.線維腫症…544 3.若年性線維腫症…544 4.良性の線維性組織球性腫瘍…545 5.隆起性皮膚線維肉腫…545 6.線維肉腫…546 7.悪性線維性組織球腫…546 B.脂肪性腫瘍…〈牛込新一郎咫?548 C.骨・軟骨の腫瘍…〈牛込新一郎〉 550 1.軟骨基質形成を主体とする腫瘍…550 2.骨マトリックスを形成する腫瘍…552 3.線維性腫瘍…553 4.母細胞の不明な腫瘍…553 5.その他の骨腫瘍…554 6.転移性骨腫瘍…555 7.腫瘍様骨病変…555 D.筋組織の腫瘍…〈高浜素秀〉 557 1.概 略…557 2.分 類…557 3.特 徴…557 E.血管・リンパ管の腫瘍 …〈高浜素秀〉 560 1.概 略…560 2.分 類…560 3.特 徴…560 F.白血病および関連病変 …〈若狭治毅,中村直哉〉 563 1.白血病…563 2.悪性リンパ腫…569 3.HODGKIN病…574 G.末梢神経組織の腫瘍…〈高浜素秀〉 577 1.概 略…577 2.分 類…577 3.特 徴…577 H.体腔被覆組織の腫瘍 …〈牛込新一郎〉 580 1.限局性線維性中皮腫…580 2.びまん性悪性中皮腫…580 3.生殖器の腺腫様腫瘍…581IV.中枢神経系の腫瘍(脳,脊髄) …〈小林槙雄〉 582 1.中枢神経の組織発生と膠腫分類…583 2.発生頻度…584 3.神経上皮性腫瘍…586 4.神経鞘系腫瘍…594 5.髄膜系腫瘍…595 6.悪性リンパ腫…597 7.血管芽腫…598 8.胚細胞性腫瘍…598 9.先天性腫瘍群…599 10.血管奇形…599 11.下垂体腺腫…600 12.転移性腫瘍…600 13.放射線脳症…601 14.実験神経腫瘍研究の展望…601V.混合腫瘍,その他…本山悌一…603 1.混合腫瘍…603 2.胚細胞腫瘍…604 3.メラニン産生組織の腫瘍…606§8.奇形,発育形成異常および遺伝性疾患 A.奇形の概念…〈三杉和章〉 610 B.奇形の原因…〈三杉和章〉 612 1.単一遺伝子異常による疾患…612 2.染色体異常…613 3.環境因子…613 4.多因子遺伝…614 5.奇形発現に関する規則…614 C.奇形および発育形成異常の種類 …〈三杉和章〉 615 1.外形および外表の奇形…615 2.循環器系の奇形…615 3.造血臓器の奇形…616 4.呼吸器系の奇形…616 5.消化器系の奇形…617 6.泌尿器系の奇形…618 7.性器の奇形…619 8.内分泌器系の奇形…620 9.神経系の奇形…620 10.骨格系の形成異常…620 11.奇形-腫瘍症候群…621 D.遺伝性疾患…622 1.大腸ポリポーシス…622 2.色素性乾皮症…〈春日 孟〉 622 3.嚢胞性膵線維症…〈中村恭一〉 623 4.アミノ酸尿症…〈三杉和章〉 624 5.血友病…〈阿部正文,若狭治毅〉 626 6.遺伝性球状赤血球…626 F.染色体異常…〈三杉和章〉 628 DOWN症候群…628§9.老化と老年病 A.老化と寿命…〈井上 達〉 630 1.自然寿命と社会寿命…630 2.動物種に固有の自然寿命…630 3.GOMPERTZの寿命曲線…630 @4.細胞フ増殖と分裂停止…631 5.細胞の分裂寿命とテロメア…631 6.テロメアを修復する逆転写酵素, テロメラーゼ…631 7.テロメア-テロメラーゼと発生・成長…632 8.発生・成長と老化…632 9.老化の決定要因…632 10.寿命決定の標的となる細胞・組織…633 11.老年学と老年病理学…633 B.老化の概念と老年学…〈井上 達〉 634 1.器官や個体レベルでの老化…634 2.細胞の老化…635 3.分子レベルでの老化…636 C.老年病理学…〈平林容子〉 637 1.老化と老年病…637 2.器官の老年性変化と関連病変…638§10.新生児 A.新生児期疾患の特徴…〈三杉和章〉 644 B.新生児期に特有な疾患…〈三杉和章〉 647 1.呼吸器系疾患…647 2.中枢神経系疾患…647 3.消化器系疾患…648 4.先天性腫瘍…649索 引…651000