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内容説明
シルク・ロードの開拓者として名高い漢の張騫が目指したのは大月氏と呼ばれる遊牧民族の国であった。この民族は中央アジア史上の重要なカギを握っているが、その実態は謎に包まれている。彼らはどこから来て、どこへ行ってしまったのだろうか?また、同時期に中央アジアにギリシア人が建てたバクトリア王国を滅ぼした謎の民族の正体とは?大月氏と中央アジアからインドにわたる帝国を築いたクシャン王朝とは関連があるのだろうか?従来の文献史料に加えて、最新の考古学資料を充分に活用し、さらに動乱の旧ソ連邦中央アジアに残された遺跡を訪れてこれらの疑問を解明し、古代中央アジアに覇を唱えながら、歴史の彼方に姿を消してしまったこの遊牧民族の実態を探る。
目次
遊牧民族と文明社会―漢と匈奴
西方の覇権争奪戦―張騫の遠征
月氏西遷をめぐって―塞民族の虚構性
バクトリア王国と大月氏―アイ・ハヌム遺跡
クシャン王朝の勃興(碑文から大月氏との関連を探る;ティリア・テペの黄金遺宝)
大月氏の足跡を尋ねて(スルハン・ダリア流域の遺跡;天山北麓の遺跡)
ユーラシア草原地帯の考古学